yahooに気になった記事があったので少し個人的な意見を残しておきたいと思います。そのため、記事の内容が不評ならば、公開を止めることを書いておきます。その記事は
「柳家小三治さんに続く人間国宝は生まれるか 落語界に立ちはだかる�狃�性問題��」
です。リンクを貼っておきましたので良ければご一読ください。
まあ記事の内容は大したことはありません。落語界から次の人間国宝が出るか？ という内容です。
そこでは、圓楽、文枝、小朝と三人の名前が挙げられていましたが、正直残念ながら三人ともその域に達する芸でも品格でもないと私も思います。
驚いたのはその記事のコメント欄です。コメントの中には、さん喬師の名前が幾つも挙げられていたからです。個人的にはどこを聴けば師の芸が小さん師や小三治師のレベルだと言う のでしょうか？
確かに他の小さん師の弟子の中では頭ひとつ出ているかも知れませんが、それは今の噺家の水準で言えばです。
例を上げるなら六代目圓生師も演じていた「松葉屋瀬川」（雪の瀬川）です。さん喬師もこの噺を手掛けていますが圓生師の残した録音（圓生百席）と比べても格段の違いがあります。正直、圓生師のを聴いた後だと、申し訳ありませんが聴くに耐えません。
特に登場人物の差が激しいと思います。圓生師のではセリフから発せられる、その人物の考えや背景も感じるのに対してさん喬師のではそれらを感じることが出来ないのです。薄っぺらいと感じてしまいます。
さん喬師に圓生師を越えろというのではありません。人間ですので向き不向きもあるかと思います。それを考えて演目を選んで欲しいと思っています。
また記事には故桂歌丸師が候補に上がったと書いてありました。事実当時の芸協の寄席では出てくる若手の噺家が
「歌丸師匠が次の人間国宝に内定したんですよ」
という言葉をかなり聴きました。結果はご存知の通りでした。歌丸師も圓生師が残した「真景累ヶ淵」に挑戦して圓生師がやらなかった先まで残してくれました。
生前、師は「自分は圓生師のようには出来ないが自分なりに工夫をして自分でしか表せないものを残したい」というような意味の言葉を残しています。
事実、師の録音は圓生師をモチーフとしながらも師独特の工夫が随所に見られました。聴きてとしては本当に有り難かったです。
小三治師が亡くなって演芸界では人間国宝は講談の神田松鯉先生だけとなってしまいました。
私は落語ほど講談を聴いてはいませんので詳しくは言えませんが寄席で幾度も先生の講談を聴いた限りでは他の一門の先生とは差があると思いました。それは聴いていて普通は
「この先はどうなるのだろう？」
などと考えながら聴いているのに対し、神田松鯉先生の時は余計なことを考えず素直に聴いているということです。安心感とも言うのでしょうか、兎に角素直に噺が入って来るのです。
小三治師亡き演芸界ですが、これからは神田松鯉先生を聴きに寄席に行っても良いではありませんか。
そして落語界からは次の大物が出て来るのを楽しみに待ちましょう。そしてその人が人間国宝になればそれで良し。成れなくても別に良いではありませんか。私はその時にはもうこの世に居ないと思いますが、それは次の世代に譲れば良いと思うのです。
色々なご意見があると思います。僭越だとは思いましたが個人的な意見を書かせて頂きました。
今日はお休みなので、浅草に行ってきました。toshiさんから譲られた招待券を有効に使いたいという目的もありました。
