『あくび指南』
今日は欠伸指南です。かなりやってると思っていたのですが、そうでもない様なので取り上げました。本来は春の噺だそうですが、なんせ「四季の欠伸」があるのですから、立秋の今頃でもいいでしょう。
『原話』
原話は安永5年(1776)、大坂で刊行された噺本集「立春噺大集」中の「あくびの寄合」が原話で、
あくび売りが「薩摩のあくび」「仙台のあくび」「今橋筋のあくび」などを籠に入れて売り歩く趣向です。
これから上方落語「あくびの稽古」になったそうです。
これが東京に移植されました。
正直「あくびの稽古」より個人的にですが、こちらの方が良いと思います。
『演者』
これは志ん生師を始め、小圓朝師や錚々たる方が演じています。今でも寄席でよく聴くことが出来ます。
『ストーリー』
長屋のの若い衆が新しい稽古を始めたいので、一緒に来てくれと友達に頼み込んで”欠伸指南所”を訪れます。
教えを請うと、心やすく入門を許されて、友達を入り口に待たせ、指南が始まります。
無意識のあくびは駄あくびといってくだらない、初心者のあくびには、春夏秋冬とあるが、一番易しい夏の稽古をしましょうということで、師匠が手本を示します。
「(船遊びの夕暮れ時で、体が自然と揺れている、煙草を一服吸って)船頭さん、船を上手にやっくれないか、堀から上がって、一口やって、中へでも繰り込んでわっと騒ごうよ、船も良いけど長く乗っていると、退屈で退屈で(あぁあ〜)ならねえや」と言う具合。
熊さんが、真似をしようとするが、体を揺すり過ぎたり声がでかすぎたり、話が脱線したりで、うまくできない。
「あなたは、不器用ですな」
このやり取りを聞いていた源さんが、
「こんなくだらねぇ話を聞いていると、退屈で退屈で(あぁあ〜)ならねえや」
「ああ、お連れさんはご器用だ」
『能書』
古い噺で、文化年間(1804〜18)にはすでに口演されていました。
かっては、「喧嘩指南」というのもあり、弟子入り早々先制攻撃で師匠に「マゴマゴしてやがると張り倒すぞ」とやると、師匠が、「うん、てめえはものになる」というもので、「あくび指南」のマクラ小咄しとして残っています。
『ネタ』
ある噺家がこの噺でオチ近くになったとき、客が大あくびをしたので、
「あのお客さまはご器用な方だ」と即興でサゲ(オチ)、そのまま高座を下りたと言う話も残っています。
「蛇足」
この後、「見ていて覚えた」と付け加える噺家がいますがそれこそ蛇足だと思います。野暮ですね。
今日は欠伸指南です。かなりやってると思っていたのですが、そうでもない様なので取り上げました。本来は春の噺だそうですが、なんせ「四季の欠伸」があるのですから、立秋の今頃でもいいでしょう。
『原話』
原話は安永5年(1776)、大坂で刊行された噺本集「立春噺大集」中の「あくびの寄合」が原話で、
あくび売りが「薩摩のあくび」「仙台のあくび」「今橋筋のあくび」などを籠に入れて売り歩く趣向です。
これから上方落語「あくびの稽古」になったそうです。
これが東京に移植されました。
正直「あくびの稽古」より個人的にですが、こちらの方が良いと思います。
『演者』
これは志ん生師を始め、小圓朝師や錚々たる方が演じています。今でも寄席でよく聴くことが出来ます。
『ストーリー』
長屋のの若い衆が新しい稽古を始めたいので、一緒に来てくれと友達に頼み込んで”欠伸指南所”を訪れます。
教えを請うと、心やすく入門を許されて、友達を入り口に待たせ、指南が始まります。
無意識のあくびは駄あくびといってくだらない、初心者のあくびには、春夏秋冬とあるが、一番易しい夏の稽古をしましょうということで、師匠が手本を示します。
「(船遊びの夕暮れ時で、体が自然と揺れている、煙草を一服吸って)船頭さん、船を上手にやっくれないか、堀から上がって、一口やって、中へでも繰り込んでわっと騒ごうよ、船も良いけど長く乗っていると、退屈で退屈で(あぁあ〜)ならねえや」と言う具合。
熊さんが、真似をしようとするが、体を揺すり過ぎたり声がでかすぎたり、話が脱線したりで、うまくできない。
「あなたは、不器用ですな」
このやり取りを聞いていた源さんが、
「こんなくだらねぇ話を聞いていると、退屈で退屈で(あぁあ〜)ならねえや」
「ああ、お連れさんはご器用だ」
『能書』
古い噺で、文化年間(1804〜18)にはすでに口演されていました。
かっては、「喧嘩指南」というのもあり、弟子入り早々先制攻撃で師匠に「マゴマゴしてやがると張り倒すぞ」とやると、師匠が、「うん、てめえはものになる」というもので、「あくび指南」のマクラ小咄しとして残っています。
『ネタ』
ある噺家がこの噺でオチ近くになったとき、客が大あくびをしたので、
「あのお客さまはご器用な方だ」と即興でサゲ(オチ)、そのまま高座を下りたと言う話も残っています。
「蛇足」
この後、「見ていて覚えた」と付け加える噺家がいますがそれこそ蛇足だと思います。野暮ですね。