『夢八』
今日はこの噺です。上方落語ですが近年ではこちらでも高座にかかります。
本来は元は「夢見の八兵衛」という題です。
本来は夏の噺でしょうが、前の記事のコメントに登ったこともあり取り上げることにしました。
『原話』
古い上方落語ということです。
『演者』
以前は小南師や百生師がよく演じていましたが、今は春風亭一之輔師、柳家一琴師や柳家蝠丸師がやってくれています。
『ストーリー』
八兵衛が源兵衛さんに呼ばれてやって来ると、体の具合が悪いのかと聞かれ、夢ばかり見ている病だという。金儲けの話があるというと、何でもすると即答する。
一晩、留守番を頼みたい、吊りの番だという。給金二倍で食事付きと聞き引き受けることにしました。
吊りは長屋だと連れて行かれ、角のお直さんのところに源兵衛が挨拶に行くと、近所の者は皆いなくなり、今は一人だけだという。頼んでおいた重箱を受け取り、八兵衛とくだんの長屋に行きます。
灯りがないので蝋燭をつけ見ると、畳はすべて上げてしまったとのこと。重箱にはにぎりと煮しめが入っており、さっそく食べ始めます。
源兵衛は一晩中寝ないように、棒で机を叩いておけと教え、一通り教えると源兵衛は表から鍵を掛けて帰ってしまう。
八兵衛は怖々机を叩いていたが、吊ってあるむしろの向こうに人がいることに気付く。
むしろの下には足がない。ひょいとむしろに触ったとたん、ぱらっとはずれて、向こう側に住人の男が首を吊っており、無念の形相もの凄い。
驚いた八兵衛は大騒ぎで、夜が更けてくると、風が路地に入ってきて音が鳴り出します。
屋根の上を猫が餌を探してやって来る。下を覗くと八兵衛が騒いでいる。猫は、弱虫な男を脅かしてやろうとたくらむ。首吊りがしゃべり出す。八兵衛に伊勢音頭を歌えと言うので、怖々歌う始末です。
首吊りが合いの手を打ったところで縄が切れて、死体が八兵衛のところに落ちてくるので、しがみついて気絶してしまいます。
次の日、源兵衛がやって来ると、お直さんが留守番の騒ぎで眠れなかったが、朝方静かになったという。戸を開けて雨戸を開けると、首吊りを抱いて寝ています。
「ありゃ、度胸のええやつやな、こいつは。こら、八兵衛、八兵衛」
「唄います、お伊勢詣り、この子ができた、よ〜い、よい」
「な〜にをやっとんじゃ、こりゃ」
「伊勢詣りの夢を見ております」
『能書』
面白いところもありますが、余り縁起の良い噺ではありませんね。仕草や噺が地(自分)に戻って演じる処もあり、実力が無いと後半ではどの様な噺だか解らなくなります。
『ネタ』
江戸時代に大流行した伊勢参りですが荷物にならないお土産として「伊勢音頭」などがあります。これが各地に伝えられ当地の言葉や風俗で替え歌になり全国に広まりました。
「蛇足」
重箱は、食物を盛る箱形の容器で、二重から五重に積み重ねられるようにしたもの。お正月のおせち料理などを盛り付けますね。多くは漆塗りで、精巧なものは蒔絵・螺鈿などをほどこしたものもあります。
今日はこの噺です。上方落語ですが近年ではこちらでも高座にかかります。
本来は元は「夢見の八兵衛」という題です。
本来は夏の噺でしょうが、前の記事のコメントに登ったこともあり取り上げることにしました。
『原話』
古い上方落語ということです。
『演者』
以前は小南師や百生師がよく演じていましたが、今は春風亭一之輔師、柳家一琴師や柳家蝠丸師がやってくれています。
『ストーリー』
八兵衛が源兵衛さんに呼ばれてやって来ると、体の具合が悪いのかと聞かれ、夢ばかり見ている病だという。金儲けの話があるというと、何でもすると即答する。
一晩、留守番を頼みたい、吊りの番だという。給金二倍で食事付きと聞き引き受けることにしました。
吊りは長屋だと連れて行かれ、角のお直さんのところに源兵衛が挨拶に行くと、近所の者は皆いなくなり、今は一人だけだという。頼んでおいた重箱を受け取り、八兵衛とくだんの長屋に行きます。
灯りがないので蝋燭をつけ見ると、畳はすべて上げてしまったとのこと。重箱にはにぎりと煮しめが入っており、さっそく食べ始めます。
源兵衛は一晩中寝ないように、棒で机を叩いておけと教え、一通り教えると源兵衛は表から鍵を掛けて帰ってしまう。
八兵衛は怖々机を叩いていたが、吊ってあるむしろの向こうに人がいることに気付く。
むしろの下には足がない。ひょいとむしろに触ったとたん、ぱらっとはずれて、向こう側に住人の男が首を吊っており、無念の形相もの凄い。
驚いた八兵衛は大騒ぎで、夜が更けてくると、風が路地に入ってきて音が鳴り出します。
屋根の上を猫が餌を探してやって来る。下を覗くと八兵衛が騒いでいる。猫は、弱虫な男を脅かしてやろうとたくらむ。首吊りがしゃべり出す。八兵衛に伊勢音頭を歌えと言うので、怖々歌う始末です。
首吊りが合いの手を打ったところで縄が切れて、死体が八兵衛のところに落ちてくるので、しがみついて気絶してしまいます。
次の日、源兵衛がやって来ると、お直さんが留守番の騒ぎで眠れなかったが、朝方静かになったという。戸を開けて雨戸を開けると、首吊りを抱いて寝ています。
「ありゃ、度胸のええやつやな、こいつは。こら、八兵衛、八兵衛」
「唄います、お伊勢詣り、この子ができた、よ〜い、よい」
「な〜にをやっとんじゃ、こりゃ」
「伊勢詣りの夢を見ております」
『能書』
面白いところもありますが、余り縁起の良い噺ではありませんね。仕草や噺が地(自分)に戻って演じる処もあり、実力が無いと後半ではどの様な噺だか解らなくなります。
『ネタ』
江戸時代に大流行した伊勢参りですが荷物にならないお土産として「伊勢音頭」などがあります。これが各地に伝えられ当地の言葉や風俗で替え歌になり全国に広まりました。
「蛇足」
重箱は、食物を盛る箱形の容器で、二重から五重に積み重ねられるようにしたもの。お正月のおせち料理などを盛り付けますね。多くは漆塗りで、精巧なものは蒔絵・螺鈿などをほどこしたものもあります。