20220103103644『七草』
皆様、あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします!
と言うことで今年、最初の噺はこれです。

『原話』
調べたのですがよく判りませんでした。ご存知の方がいたらお教え願います。

『演者』
今では四代目金馬師(金翁師)しかやらないそうです。
確か三代目もやっていたと思います。

『ストーリー』
昔、吉原に七越という花魁がいました。この七越という花魁は美人で芸達者ですが、何故か「裏が付かない」(2度目のご指名がつかない)その理由は、料理をつまみ食いをするという悪い癖があったからでした。
 ご内所からお座敷では絶対につまみ食いをしないように言い含められて、それを守ったのでそれからは引く手あまたの人気者になりました。
 ある年の正月7日、野田のお大尽が芸者、幇間、末社を引き連れて豪遊。そこに七越花魁も呼ばれていたました。お大尽、宴の途中でトイレに立ち上がり、おべっか連中がお伴して同道した。残ったのは七越花魁だけ。手持ちぶさたの七越が、ふとお膳を見ると尾頭付きとして小骨の硬い”ホウボウ”の塩焼きが。これがいかにも美味そうに見えました。
最初は見ていただけですが、ついに我慢できなくなって、そのホウボウをつまみ食いしたところ、その骨が喉に突き刺さってしまいました。
 苦しむ七越に周りの者が驚いて
「医者だ、薬だ」
 と大騒ぎ。だがお大尽、騒がずに粋な計らい。痛がっている七越の背中を箸で叩きながら、
「トントンパタリ、トンパタリ」
 とやると、七越が
「イテテッテッテッテ」

『能書』
「七草」ということで1月も7日までしか出来ない噺だそうです。
正月7日には「七草粥」を食べる、と言うのは現在でも残っていますが、昔はこの日には家長が羽織袴の正装をして「七草なずな、唐土の鳥が日本の土地に渡らぬ先に、トントンぱたりトンぱたり」と謡い、家族が「イテテッテッテッテ‥‥」と続けるお囃子をやる風習もあったんだそうです。
このお囃子の訳は中国から来る悪い虫や病んい負けないように七草粥を食べて体を強くして、病気にかからずに1年間を過ごそう」というのが、この囃子の由来だそうです

『ネタ』
金馬師匠のこの噺を聴きたいばかりに正月寄席に来るというお客もいるそうです。
地味な噺ですが受け継がれて欲しいですね。

「蛇足」
「春の七草は「せりなずな 御形はこべら 仏の座 すずなすずしろ これぞ七草」 と言う四辻の左大臣 の歌が有名で、広まりました。これにより春の七草の7種の草とその読み並べ方が定着したといわれています。