20101215_1678278今日は寄席で一番の美声、市馬師についてです。

一応、柳亭としては四代目ですが三遊亭でも襲名している名前なので、合わせると8代目だそうです。
確か八代目正蔵師の所に預かり弟子で市馬という方がいましたね。
談志師に、自分の名前を「英語だと、スリープレイハンド・・・」と言って煙にまいたとか逸話が有る方ですね。
落語協会事務員となっていました。

1961年生まれ、大分県豊後大野市緒方町出身で、本名は右藤泰幸。
1980年3月 5代目柳家小さん師に入門して小幸。
1984年5月 - 二つ目昇進で「柳家さん好」と改名。
1993年9月 - 真打昇進で4代目(8代目)柳亭市馬を襲名。
2010年12月 - 落語協会理事会にて副会長に決定。
出囃子は「吾妻八景」
と経歴はこの通りです。

とにかく、歌が上手いので、またお客さんも求めるのか、噺の中に唄を入れる事が多いですね。
相撲甚句から歌謡曲まで何でも来いですね。

肝心の噺はというと、これが本格派で、正に柳家の王道を歩んでいます。
個人的には次の小さんはこの人しかいない、と思っています。
なんなら今、名前を変えても良いと思いますがwww

スケールの大きさを感じさせる噺家さんです。
前から注目されていたのですが、ここ5.6年に噺に色気が出てきました。
一皮むけたという事ですね。
正直、その前はスケールの大きさは伺えるけど、色気に乏しい感じがしていました。
それが、今では登場すると高座が明るくなるのです。

一皮むけたのは師匠が亡くなった事も関係していると思います。
下の世代と上の世代に挟まれて、奮起したのかもしれません。

当たり前の落語を、誰よりも心地好く聴かせてくれる柳亭市馬師です。
一般的にイメージされる「面白い古典落語」を楽しみたい、という人には真っ先にお勧めしたですね。
何とも素敵な噺家さんです。
よく寄席にも出ていますので、機会のある方は是非御覧になって下さい。

先輩の権太楼師によると、色々と不思議な事を知ってるそうです。
王子の「扇屋」の卵焼きは一子相伝であるとか、以前は店で食べるのと持って帰るのは焼き方が違う、
なんて事を権太楼師に話していたそうです。


音源は、季節柄「長屋の花見」を聴いてください。