『石返し』
今日はこの噺です。内容から言っても冬の噺だと思います。
「番町鍋屋敷」という題名もあります。
『原話』
江戸後期に出来た噺で、柳家の噺ですね。三代目小さん師から四代目、七代目三笑亭可楽師、そして五代目小さん師に継承されたそうです。
上方の噺は江戸から輸入されたそうです。上方では橘圓都師と弟子の圓三師が演じたそうです。
『演者』
正直、あまり寄席などでは掛かりませんね。それでも、やはり柳家の噺家さんが演じますね。私は録音は小さん師とか色々、生では十代目入船亭扇橋師がトリの時に聴きました。
『ストーリー』
夜鷹蕎麦屋の親父が疝気の為商売を休む事になり、一緒に回っていた息子の松公に商いに出るように頼みます。
蕎麦の作り方から、客扱い、場所選び、売り声まで一通りおさらいをして、夜の街に出掛けました。明るいとこでなく、暗い所で売れと色々と教えられた通りに人通りのない武家屋敷に行きます。そこは番町鍋屋敷と言って商人達には悪評の立っている屋敷でした。
屋敷の塀から声が掛かかります
「早仕舞いにしてつかわす。全部入れろ」
と言われ、初商いで持参した五十人分が総終いだと喜んで、吊された鍋に蕎麦玉を徳利に蕎麦つゆを入れて、窓の内に引き上げてもらいます。
蕎麦代は投げると暗いので見失うので、門番の所に行ってもらうように告げられたので、行ってみると
「アレは狸だ」
と言います。
「お前は化かされているので、ここでは払えない」
と門前払は言います。更に
「お前は総領面で、ぼぉ〜っとしているから騙されるんだと」
などとも言われrてしまいます。この時、初めて蕎麦を語り取られた事に気づいて泣きながら帰って来ます。
親父に事の仔細を話すと
「それは狸でも何でもない。仲間内では有名な番町鍋屋敷で、商人を騙していじめているんだ。これから仕返しに行くぞ」
と言う事で「汁粉・日の出屋」と書き改めまたて屋敷下に来ます。そうすると上の方から相変わらず、汁粉屋を騙してやろうと声が掛かり鍋を下ろして来ます。
松公が狸の顔が見えたし、鍋は狸の千畳敷だと騒ぎますが、鍋をはずして、どぶのふちにあった石を紐に結びつけて引き上げさせます。
「大変入っていると見える。おい小林手伝え」
などと上の武士は重い感触に喜びながら
「勘定は門番の所でもらえ……おい汁粉屋この石はなんだ?」
すると親父
「へい、先ほどの、石(意趣)返しです」。
【注目点】
表長屋と呼ぶ江戸詰めの勤番侍の住居は、この噺の通り二階建てで、下は仲間・小者、二階に主人の住居でした。
落語では「井戸の茶碗」にも登場しますね。
『能書』
江戸時代も後期になると直参、陪臣問わず武士のモラルが低下していたようです。特に番町のあたりの武家屋敷の長屋に住む武士は酷かったとか?
借り倒し、無銭入浴、駕籠かきの運賃の不払い、酷い時は追い剥ぎなどもやったそうです。
『ネタ』
題名は遺恨を晴らす意味の「意趣返し」に引っかけたものです。
段々通じなくなるかも知れないという感じがしますね。
今日はこの噺です。内容から言っても冬の噺だと思います。
「番町鍋屋敷」という題名もあります。
『原話』
江戸後期に出来た噺で、柳家の噺ですね。三代目小さん師から四代目、七代目三笑亭可楽師、そして五代目小さん師に継承されたそうです。
上方の噺は江戸から輸入されたそうです。上方では橘圓都師と弟子の圓三師が演じたそうです。
『演者』
正直、あまり寄席などでは掛かりませんね。それでも、やはり柳家の噺家さんが演じますね。私は録音は小さん師とか色々、生では十代目入船亭扇橋師がトリの時に聴きました。
『ストーリー』
夜鷹蕎麦屋の親父が疝気の為商売を休む事になり、一緒に回っていた息子の松公に商いに出るように頼みます。
蕎麦の作り方から、客扱い、場所選び、売り声まで一通りおさらいをして、夜の街に出掛けました。明るいとこでなく、暗い所で売れと色々と教えられた通りに人通りのない武家屋敷に行きます。そこは番町鍋屋敷と言って商人達には悪評の立っている屋敷でした。
屋敷の塀から声が掛かかります
「早仕舞いにしてつかわす。全部入れろ」
と言われ、初商いで持参した五十人分が総終いだと喜んで、吊された鍋に蕎麦玉を徳利に蕎麦つゆを入れて、窓の内に引き上げてもらいます。
蕎麦代は投げると暗いので見失うので、門番の所に行ってもらうように告げられたので、行ってみると
「アレは狸だ」
と言います。
「お前は化かされているので、ここでは払えない」
と門前払は言います。更に
「お前は総領面で、ぼぉ〜っとしているから騙されるんだと」
などとも言われrてしまいます。この時、初めて蕎麦を語り取られた事に気づいて泣きながら帰って来ます。
親父に事の仔細を話すと
「それは狸でも何でもない。仲間内では有名な番町鍋屋敷で、商人を騙していじめているんだ。これから仕返しに行くぞ」
と言う事で「汁粉・日の出屋」と書き改めまたて屋敷下に来ます。そうすると上の方から相変わらず、汁粉屋を騙してやろうと声が掛かり鍋を下ろして来ます。
松公が狸の顔が見えたし、鍋は狸の千畳敷だと騒ぎますが、鍋をはずして、どぶのふちにあった石を紐に結びつけて引き上げさせます。
「大変入っていると見える。おい小林手伝え」
などと上の武士は重い感触に喜びながら
「勘定は門番の所でもらえ……おい汁粉屋この石はなんだ?」
すると親父
「へい、先ほどの、石(意趣)返しです」。
【注目点】
表長屋と呼ぶ江戸詰めの勤番侍の住居は、この噺の通り二階建てで、下は仲間・小者、二階に主人の住居でした。
落語では「井戸の茶碗」にも登場しますね。
『能書』
江戸時代も後期になると直参、陪臣問わず武士のモラルが低下していたようです。特に番町のあたりの武家屋敷の長屋に住む武士は酷かったとか?
借り倒し、無銭入浴、駕籠かきの運賃の不払い、酷い時は追い剥ぎなどもやったそうです。
『ネタ』
題名は遺恨を晴らす意味の「意趣返し」に引っかけたものです。
段々通じなくなるかも知れないという感じがしますね。