らくご はじめのブログ

落語好きの中年オヤジが書いてる落語日記

猫と金魚

「猫と金魚」という噺

dc451605『猫と金魚』
この噺が秋の噺かどうかは判りませんが今日はこれです。

『原話』
これは「のらくろ」で有名な田河水泡画伯の作です。「高沢路亭」というペンネームで創作活動をしていました。

『演者』
初代権太楼師を始め色々な噺家さんが代々やっています。最近では十代目文治師や八代目圓蔵師が有名ですね。

『ストーリー』
 ある商家の旦那、金魚を飼っているのですが、隣家の猫がやってきてたびたび金魚を襲うので困っています。
番頭さんを呼んで対策を講じようとするが、この番頭が変わり者なのです。
猫の手が届かないところへ金魚鉢を置けと命じれば、銭湯の煙突の上に乗せようとする。「そんなところに置いたら金魚が見えないじゃないか」「望遠鏡で見ればいい」という具合なのです。

次に、湯殿の上に金魚鉢を移動させるが、番頭がやってきて「金魚鉢は移動しましたが、金魚はどうしましょうか?」。そうこうしているうちに、隣家の猫が金魚をねらいにやってくる。
 旦那は町内の頭を呼びにやり、金魚を守ろうとするのですが、呼ばれてやってきた虎さんですが、喧嘩は得意と言いやたら威勢だけは良いのですが……。
 結局、虎さんは猫と争った挙句、悲鳴を上げました。
 なんだと、主人が風呂場に駆けつけると、棚は破壊され、金魚鉢は真っ逆さまにひっくり返り、トラさんは金魚鉢の水を頭からかぶって気絶している。主人がたたき起こすと、トラさん曰く、
「気丈な猫で・・・」
「どうしたいトラさん、早く猫を捕まえておくれ」、
と改めて主人は頼む。今度はトラさんは猫は怖いから嫌です… と打って変わって弱気です。主人
「猫が怖いっておまいさんトラさんじゃないか!?」
トラさん
「名前はトラですが、いまはこのとおり「濡れネズミ」になりました」

『能書』
田河水泡さんがこの作品を書いたのは漫画家になる前だったそうです。
今に伝わる噺は初代権太楼師がセリフなど色々を手を加えたそうです。

『ネタ』
発表当初は注目されなかったそうですが、初代権太楼師がこれに目を付けて実演の承諾を取り
高座に掛けると爆発的なウケを取りました。
あまつさへこの噺を自作と宣伝したそうです。(まあ半分は近いかも?)
戦後不遇な亡くなり方をしましたが、その後放送局等が真の著作者を見つけ出し田河画伯に著作権料を支払おうとすると、全額権太楼師の遺族に、と言って受け取らなかったそうです。

「蛇足」
初代権太楼師のSP版の音源は私も聴いた事ありますが、番頭さんの言い方が面白かったですね。
後は先代の文治師もよく高座に掛けていました。
そして、亡くなった圓蔵師の十八番でもありました。

※お知らせ
 先日、ライブドアブログ編集になんと「いま、いちばん読んで欲しい推しのブログ」に選ばれました。
https://blog.livedoor.com/news/
 これも皆様のおかげと感謝致しております。ありがとうございました!
(明日には消えるかもw)

「猫と金魚」の面白さ

83l83R82C68BE08B9B今日は「猫と金魚」です。
これは「のらくろ」で有名な田河水泡画伯の作です。「高沢路亭」というペンネームで創作活動をしていました。

ある商家の旦那、金魚を飼っているのですが、隣家の猫がやってきてたびたび金魚を襲うので困っています。
番頭さんを呼んで対策を講じようとするが、この番頭が変わり者なのです。
猫の手が届かないところへ金魚鉢を置けと命じれば、銭湯の煙突の上に乗せようとする。「そんなところに置いたら金魚が見えないじゃないか」「望遠鏡で見ればいい」という具合なのです。

次に、湯殿の上に金魚鉢を移動させるが、番頭がやってきて「金魚鉢は移動しましたが、金魚はどうしましょうか?」。そうこうしているうちに、隣家の猫が金魚をねらいにやってくる。

旦那は町内の頭を呼びにやり、金魚を守ろうとするのですが、呼ばれてやってきた虎さんですが、
喧嘩は得意と言いやたら威勢だけは良いのですが・・・・
結局、虎さんは猫と争った挙句、悲鳴を上げました。
なんだと、主人が風呂場に駆けつけると、棚は破壊され、金魚鉢は真っ逆さまにひっくり返り、トラさんは金魚鉢の水を頭からかぶって気絶している。主人がたたき起こすと、トラさん曰く、「気丈な猫で・・・」と、
「どうしたいトラさん、早く猫を捕まえておくれ」、と改めて主人は頼む。今度はトラさんは猫は怖いから嫌です… と打って変わって弱気である。
主人「猫が怖いっておまいさんトラさんじゃないか!?」
トラさん「名前はトラですが、いまはこのとおり「濡れネズミ」になりました」

発表当初は注目されなかったそうですが、初代権太楼師がこれに目を付けて実演の承諾を取り
高座に掛けると爆発的なウケを取りました。
あまつさへこの噺を自作と宣伝したそうです。
戦後不遇な亡くなり方をしましたが、その後放送局等が真の著作者を見つけ出し田河画伯に著作権料を支払おうとすると、全額権太楼師の遺族に、と言って受け取らなかったそうです。

初代権太楼師のSP版の音源は私も聴いた事ありますが、番頭さんの言い方が面白かったですね。
後は先代の文治師もよく高座に掛けていました。
そして、当代圓蔵師の十八番ですね。続きを読む

「猫と金魚」はナンセンスな面白さだけでは無い

83l83R82C68BE08B9B今日は「猫と金魚」です。
これは「のらくろ」で有名な田河水泡画伯の作です。「高沢路亭」というペンネームで創作活動をしていました。

ある商家の旦那、金魚を飼っているのですが、隣家の猫がやってきてたびたび金魚を襲うので困っています。
番頭さんを呼んで対策を講じようとするが、この番頭が変わり者なのです。
猫の手が届かないところへ金魚鉢を置けと命じれば、銭湯の煙突の上に乗せようとする。「そんなところに置いたら金魚が見えないじゃないか」「望遠鏡で見ればいい」という具合なのです。

次に、湯殿の上に金魚鉢を移動させるが、番頭がやってきて「金魚鉢は移動しましたが、金魚はどうしましょうか?」。そうこうしているうちに、隣家の猫が金魚をねらいにやってくる。

旦那は町内の頭を呼びにやり、金魚を守ろうとするのですが、呼ばれてやってきた虎さんですが、
喧嘩は得意と言いやたら威勢だけは良いのですが・・・・
結局、虎さんは猫と争った挙句、悲鳴を上げました。
なんだと、主人が風呂場に駆けつけると、棚は破壊され、金魚鉢は真っ逆さまにひっくり返り、トラさんは金魚鉢の水を頭からかぶって気絶している。主人がたたき起こすと、トラさん曰く、「気丈な猫で・・・」と、
「どうしたいトラさん、早く猫を捕まえておくれ」、と改めて主人は頼む。今度はトラさんは猫は怖いから嫌です… と打って変わって弱気である。
主人「猫が怖いっておまいさんトラさんじゃないか!?」
トラさん「名前はトラですが、いまはこのとおり「濡れネズミ」になりました」

発表当初は注目されなかったそうですが、初代権太楼師がこれに目を付けて実演の承諾を取るり
高座に掛けると爆発的なウケを取りました。
あまつさへこの噺を自作と宣伝したそうです。
戦後不遇な亡くなり方をしましたが、その後放送局等が真の著作者を見つけ出し田河画伯に著作権料を支払おうとすると、全額権太楼師の遺族に、と言って受け取らなかったそうです。

初代権太楼師のSP版の音源は私も聴いた事ありますが、番頭さんの言い方が面白かったですね。
後は先代の文治師もよく高座に掛けていました。
そして、当代圓蔵師の十八番ですね。
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