『瘤弁慶』
今日は上方落語でこの噺です。
『原話』
「東の旅」の伊勢詣りの帰路にあたる噺で初代笑福亭吾作師の作です。
『演者』
近年では桂米朝師や枝雀師それに先代の文枝師がやっています。勿論現役世代でも演じられています。東京でやってる方はいるのかどうか(東京で活動してる上方落語家以外で)
『ストーリー』
伊勢参りを済ませた喜六と清八のコンビが、大阪へ帰る道すがら大津の岡屋半衛門にやって来ます。
番頭をからかいつつ部屋にはいり、面白おかしく飲んでいると、いつの間にか人が集まってきて大宴会に。ドンチャン騒ぎをしていると…血相を変えた男が飛び込んでくる。
「廊下で化け物に遭いました」
このバケモノの正体は単なるクモ。
「苦手な人にとっては化け物になるな」
という話から『嫌いなもの・好きなもの』の話をしていると一人の男が
「壁土が好き」
と言いだしました。男は本当に壁土を食べ出します
「この宿屋は確かに古い、味が本願寺の壁土に似ている」
と言い出す始末です。その翌朝…男は高熱を出して動けなくなってしまいます。
暫く養生をして、やっと動けるようになった男が京都の綾小路麩屋町にある自宅に帰ってきたます。
すると、何故か、肩に瘤が出来て、どんどん大きくなると人の頭になってしまったのです。そしてその瘤が
「ワシは武蔵坊弁慶だ!!」
と言い出す始末です。大津の宿で食べた壁土に弁慶の絵が塗りこめられており、壁土ごと食べられたのを幸いに男にとりついてしまったらしいのです。
そしてこの瘤が飯を食わせろ、酒を飲ませろやら女郎買いへ連れて行けと暴れる始末です。男は閉口し、医者からは瘤を切り取ると死ぬと匙を投げられてしまいます。
とうとうノイローゼになってしまい、寝込んでしまっていると友達が見舞いにやって来ます。友人曰く
「そのコブをイボだと偽り、蛸薬師で治してもらえ」
それを聞いた男は、弁慶に風呂敷をかけて隠して妙心寺へ通うこと数日。ある夜の帰りに大名行列に出くわした弁慶は、男の体を操り殴り込みをかけてしまいます。
「我が名が聞きたくば名乗って聞かせん!」
芝居のようにに見得をきる弁慶に、殿様が出てきて
「手打ちに致す、そこへ直れ」。
男が平伏して
「このコブ切られたら命がないと医者に言われた」
と嘆願しますがが、殿様曰く
「夜のコブは見逃しならぬ」。
『能書』
サゲは「夜の昆布は見逃すな」という諺のもじりです。知らないと判りませんね。「夜の昆布」と「喜ぶ」をかけた洒落で「夜の昆布は乞ふても喰へ」と言う諺があるそうです。
元々は「コブ(昆布)」は蜘蛛のことで、落ちは「夜の蜘蛛は殺せ」という諺に由来するとも言われています。
『ネタ』
サゲが判り難くくなってしまった為に枝雀師が別のサゲを考えました。
男のコブの正体が弁慶であると聞いた殿さまが「手打ちは義経に」、つまり、よさなければならないと答えるのです。これは『青菜』から流用したものですね。最近はこちらが多くなって来ました。
「蛇足」
この噺は伊勢参りの帰りの道中の噺ですが主人公が喜六と清八から変わってしまっていると言う特殊な構成になっています。
今日は上方落語でこの噺です。
『原話』
「東の旅」の伊勢詣りの帰路にあたる噺で初代笑福亭吾作師の作です。
『演者』
近年では桂米朝師や枝雀師それに先代の文枝師がやっています。勿論現役世代でも演じられています。東京でやってる方はいるのかどうか(東京で活動してる上方落語家以外で)
『ストーリー』
伊勢参りを済ませた喜六と清八のコンビが、大阪へ帰る道すがら大津の岡屋半衛門にやって来ます。
番頭をからかいつつ部屋にはいり、面白おかしく飲んでいると、いつの間にか人が集まってきて大宴会に。ドンチャン騒ぎをしていると…血相を変えた男が飛び込んでくる。
「廊下で化け物に遭いました」
このバケモノの正体は単なるクモ。
「苦手な人にとっては化け物になるな」
という話から『嫌いなもの・好きなもの』の話をしていると一人の男が
「壁土が好き」
と言いだしました。男は本当に壁土を食べ出します
「この宿屋は確かに古い、味が本願寺の壁土に似ている」
と言い出す始末です。その翌朝…男は高熱を出して動けなくなってしまいます。
暫く養生をして、やっと動けるようになった男が京都の綾小路麩屋町にある自宅に帰ってきたます。
すると、何故か、肩に瘤が出来て、どんどん大きくなると人の頭になってしまったのです。そしてその瘤が
「ワシは武蔵坊弁慶だ!!」
と言い出す始末です。大津の宿で食べた壁土に弁慶の絵が塗りこめられており、壁土ごと食べられたのを幸いに男にとりついてしまったらしいのです。
そしてこの瘤が飯を食わせろ、酒を飲ませろやら女郎買いへ連れて行けと暴れる始末です。男は閉口し、医者からは瘤を切り取ると死ぬと匙を投げられてしまいます。
とうとうノイローゼになってしまい、寝込んでしまっていると友達が見舞いにやって来ます。友人曰く
「そのコブをイボだと偽り、蛸薬師で治してもらえ」
それを聞いた男は、弁慶に風呂敷をかけて隠して妙心寺へ通うこと数日。ある夜の帰りに大名行列に出くわした弁慶は、男の体を操り殴り込みをかけてしまいます。
「我が名が聞きたくば名乗って聞かせん!」
芝居のようにに見得をきる弁慶に、殿様が出てきて
「手打ちに致す、そこへ直れ」。
男が平伏して
「このコブ切られたら命がないと医者に言われた」
と嘆願しますがが、殿様曰く
「夜のコブは見逃しならぬ」。
『能書』
サゲは「夜の昆布は見逃すな」という諺のもじりです。知らないと判りませんね。「夜の昆布」と「喜ぶ」をかけた洒落で「夜の昆布は乞ふても喰へ」と言う諺があるそうです。
元々は「コブ(昆布)」は蜘蛛のことで、落ちは「夜の蜘蛛は殺せ」という諺に由来するとも言われています。
『ネタ』
サゲが判り難くくなってしまった為に枝雀師が別のサゲを考えました。
男のコブの正体が弁慶であると聞いた殿さまが「手打ちは義経に」、つまり、よさなければならないと答えるのです。これは『青菜』から流用したものですね。最近はこちらが多くなって来ました。
「蛇足」
この噺は伊勢参りの帰りの道中の噺ですが主人公が喜六と清八から変わってしまっていると言う特殊な構成になっています。