『悋気の独楽』
まだまだ秋の陽気とは行きませんようで、今日はこの噺です。調べたらちゃんとは取り上げていないみたいなのでやってみます。
『原話』
元はというか、今でも立派な上方落語です。
三代目の小さん師が移植したのですが、何故か当初は東京にはあまり根付きませんでした。
最も最近はかなりの噺家さんが高座に掛けています。
あの現正蔵もやってます。あまり上手とは言えませんが並ぐらいですかねえ?
『演者』
八代目正蔵一門や色々な噺家が演じています。すっかり東京にも定着しましたね。
個人的には亡くなった二代目文朝師のが好きでした。
『ストーリー』
夜になるといつも外出する旦那。それを「女のところでは」とあやしく思った女将は、小僧の定吉に後をつけさせる。するとやはり、旦那は妾のところへ。小僧に気づいた旦那は、小僧を買収し、妾の家に連れて行く。そこでは、3つの独楽でその晩の旦那の身の振り方を占うことにしていた。小僧は、その辻占の独楽をみやげにもらって帰ってくる。
女将さんに問い詰められて、正直に白状する定吉。女将は
「それで今夜は帰って来るのかい?」
と問い詰められ持ち帰って来た独楽で占うことにする。しかし何回やっても結果は妾の所に泊まるとでてしまう。そこでおかしいいと女将が定吉に独楽を調べさせる。定吉は
「こりゃ駄目ですよ。心棒が狂っています」
【注目点】
四代目の志ん生師が音曲の素養を生かし、
この噺を「喜撰」と題して改作しています
後半の独楽回しの部分を切り、小僧が清元の「喜撰」に
熱中するあまりお内儀さんを小突くので、
「おまえ、人を茶に(=馬鹿に)するね」
「へい、今のが喜撰(宇治茶の銘柄と掛けた)です」
というサゲにしました。
八代目の柳枝師の録音が「喜撰小僧」として残っていますし、
最近は柳亭市馬師が高座に掛けています。
『能書』
時代は江戸の終わりか、明治の始めの頃です。だから本来は定吉が旦那のあとをつけて行くのですが、途中で夕暮れになり街灯が無かった当時ですから「旦那様小さくなっちゃった」という台詞が本来はあるのですが、ほとんどの噺家さんは演じていませんね。そこが惜しいですね。八代目柳枝師のには確か入っています。
『ネタ』
結構好きな演目ですね。貞吉が重要な役回りをするのですが、子供なので抜けている処があるんですね。
まあ、そこが面白いし、かわいい処ですね。
※立花さんのご指摘がありましたので「喜撰小僧」のあらすじを貼っておきます。
ある大店で、主人の浮気を疑う家内に命じられ、小僧の定吉が旦那を後をつけるがすぐに見つかってしまった。おかみさんに黙っているようにと御馳走された上、銭をもらって帰る。
おかみさんは定吉の嘘の報告で安心し、肩を叩かせることにした。定吉は肩を叩きながら去年の3月に両国へ行った折に、本町のお嬢さんが踊りを見せたという話を始める。
「私はあの時の唄を知っています。桜の枝へ瓢箪を結いつけて、出てきた時の唄を……ええ、……♪世辞でまろめて、浮気でこねて、小町桜のながーめーも、あかーぬ、チントンシャン……」
「あっ、痛い。何をするんだい。本当にお前は人を茶にするよ」
「ただいまのは、喜撰でございます」
まだまだ秋の陽気とは行きませんようで、今日はこの噺です。調べたらちゃんとは取り上げていないみたいなのでやってみます。
『原話』
元はというか、今でも立派な上方落語です。
三代目の小さん師が移植したのですが、何故か当初は東京にはあまり根付きませんでした。
最も最近はかなりの噺家さんが高座に掛けています。
あの現正蔵もやってます。あまり上手とは言えませんが並ぐらいですかねえ?
『演者』
八代目正蔵一門や色々な噺家が演じています。すっかり東京にも定着しましたね。
個人的には亡くなった二代目文朝師のが好きでした。
『ストーリー』
夜になるといつも外出する旦那。それを「女のところでは」とあやしく思った女将は、小僧の定吉に後をつけさせる。するとやはり、旦那は妾のところへ。小僧に気づいた旦那は、小僧を買収し、妾の家に連れて行く。そこでは、3つの独楽でその晩の旦那の身の振り方を占うことにしていた。小僧は、その辻占の独楽をみやげにもらって帰ってくる。
女将さんに問い詰められて、正直に白状する定吉。女将は
「それで今夜は帰って来るのかい?」
と問い詰められ持ち帰って来た独楽で占うことにする。しかし何回やっても結果は妾の所に泊まるとでてしまう。そこでおかしいいと女将が定吉に独楽を調べさせる。定吉は
「こりゃ駄目ですよ。心棒が狂っています」
【注目点】
四代目の志ん生師が音曲の素養を生かし、
この噺を「喜撰」と題して改作しています
後半の独楽回しの部分を切り、小僧が清元の「喜撰」に
熱中するあまりお内儀さんを小突くので、
「おまえ、人を茶に(=馬鹿に)するね」
「へい、今のが喜撰(宇治茶の銘柄と掛けた)です」
というサゲにしました。
八代目の柳枝師の録音が「喜撰小僧」として残っていますし、
最近は柳亭市馬師が高座に掛けています。
『能書』
時代は江戸の終わりか、明治の始めの頃です。だから本来は定吉が旦那のあとをつけて行くのですが、途中で夕暮れになり街灯が無かった当時ですから「旦那様小さくなっちゃった」という台詞が本来はあるのですが、ほとんどの噺家さんは演じていませんね。そこが惜しいですね。八代目柳枝師のには確か入っています。
『ネタ』
結構好きな演目ですね。貞吉が重要な役回りをするのですが、子供なので抜けている処があるんですね。
まあ、そこが面白いし、かわいい処ですね。
※立花さんのご指摘がありましたので「喜撰小僧」のあらすじを貼っておきます。
ある大店で、主人の浮気を疑う家内に命じられ、小僧の定吉が旦那を後をつけるがすぐに見つかってしまった。おかみさんに黙っているようにと御馳走された上、銭をもらって帰る。
おかみさんは定吉の嘘の報告で安心し、肩を叩かせることにした。定吉は肩を叩きながら去年の3月に両国へ行った折に、本町のお嬢さんが踊りを見せたという話を始める。
「私はあの時の唄を知っています。桜の枝へ瓢箪を結いつけて、出てきた時の唄を……ええ、……♪世辞でまろめて、浮気でこねて、小町桜のながーめーも、あかーぬ、チントンシャン……」
「あっ、痛い。何をするんだい。本当にお前は人を茶にするよ」
「ただいまのは、喜撰でございます」