『ざこ八 』
もともとは上方落語の切ネタ(大ネタ)で、東京では戦後、二代目桂三木助直伝で三代目三木助師をはじめ、八代目正蔵師が、江戸のやり方で売り物にしましていました。
特に、三木助がこの噺を好み、十八番として、しばしば演じていました。
本家の上方では、六代目笑福亭松鶴が得意にし、小南師等が、上方風で演じました。
入船亭扇橋師が演じていましたね。
『原話』
前半の「先の仏」に近い咄1は806年の「江戸嬉笑」に「精進」という話があり、後編の「二度目のい御馳走」のサゲは1772年頃の「大食」という話にあります。
『演者』
三代目三木助師をはじめ、八代目正蔵師、十代目」入船亭扇橋師あたりですかね。
個人的には寄席のトリの時に扇橋師がやっていたのを聴きました。
『ストーリー』
歳の頃三十二、三のいい男が振り分け荷物と笠を持った姿で、升屋新兵衛宅を尋ねた。前の眼鏡屋の弟・鶴吉だと言う。十年ぶりに江戸に戻って来たが、兄貴の家が無いが、表通りに出て繁盛していると聞かされ一安心。
近所のざこ八は見る影もないがと聞くと、ざこ八は潰れたと言う。百万長者の大店でどんなことしても潰れるような店ではないのに、何かあったのですか。
すると、 「潰したのは、アンタ鶴さんだよ。」というと訳を話出しました。
婚礼の当日、婿養子の鶴吉が逃げた為に、ざこ八の娘お絹は病に臥せって仕舞います。
鶴吉に似た男を見つけて結婚したが、この婿が遊び人で、心を痛めた両親が死んで、文句を言う人もいなくなり、莫大なざこ八の身代を使い果たし、最後に手を出した相場にも失敗して家や土地まで手放して仕舞います。
さらにお絹に悪い病をうつして死に、お絹は毛が全部抜けて丸坊主になり、乞食同然の暮らしをしています。
話を聞いた鶴吉は、改めてお絹と夫婦になり、必死に稼いだ金で、ざこ八の小間を借りて米屋を開きます。
一方、上方で十年間稼いだ二百両を元手に米相場をやると、大当たりでどんどん増えて数百万両にもなり、
ざこ八の屋敷を買い戻し、以前より大きな店を持つことが出来ました。
ある日、出入の魚屋の魚勝が立派な鯛を持ってきました。
鶴吉が三枚に下ろしてくれと言うと、お絹が先の仏の精進日だから駄目と断る。鶴吉が、ドラ養子の命日なんか関係ないと怒り出す。
魚勝が止めに入って「女将さんが先の仏先の仏というから、今の仏が怒っちゃう」
『能書』
上方の噺ではこの先もあり、
夫婦の冷戦は続き、鶴吉が板前を大勢呼んで生臭物のごちそうを店の者にふるまえば、
お絹はお絹で意地のように精進料理をあつらえ始める。
一同大喜びで、両方をたっぷり腹に詰め込んだので、腹一杯でもう食えない。
満腹で下も向けなくなり、
やっとの思い出店先に出ると、物乞いがうずくまっている。
「なに、腹が減ってるって? ああうらやましい」
と言うオチです。
『ネタ』
粉糠三合とは、わずかな財産の例えで、
ほんの少額でも金があるなら、割に合わない婿になど入るな、という戒めです。
「蛇足」
死んだ先妻や先夫のことを「先の仏」と言うそうですが「柳多留」には「後添えは先ンの仏を耳にかけ」とあるそうです。
もともとは上方落語の切ネタ(大ネタ)で、東京では戦後、二代目桂三木助直伝で三代目三木助師をはじめ、八代目正蔵師が、江戸のやり方で売り物にしましていました。
特に、三木助がこの噺を好み、十八番として、しばしば演じていました。
本家の上方では、六代目笑福亭松鶴が得意にし、小南師等が、上方風で演じました。
入船亭扇橋師が演じていましたね。
『原話』
前半の「先の仏」に近い咄1は806年の「江戸嬉笑」に「精進」という話があり、後編の「二度目のい御馳走」のサゲは1772年頃の「大食」という話にあります。
『演者』
三代目三木助師をはじめ、八代目正蔵師、十代目」入船亭扇橋師あたりですかね。
個人的には寄席のトリの時に扇橋師がやっていたのを聴きました。
『ストーリー』
歳の頃三十二、三のいい男が振り分け荷物と笠を持った姿で、升屋新兵衛宅を尋ねた。前の眼鏡屋の弟・鶴吉だと言う。十年ぶりに江戸に戻って来たが、兄貴の家が無いが、表通りに出て繁盛していると聞かされ一安心。
近所のざこ八は見る影もないがと聞くと、ざこ八は潰れたと言う。百万長者の大店でどんなことしても潰れるような店ではないのに、何かあったのですか。
すると、 「潰したのは、アンタ鶴さんだよ。」というと訳を話出しました。
婚礼の当日、婿養子の鶴吉が逃げた為に、ざこ八の娘お絹は病に臥せって仕舞います。
鶴吉に似た男を見つけて結婚したが、この婿が遊び人で、心を痛めた両親が死んで、文句を言う人もいなくなり、莫大なざこ八の身代を使い果たし、最後に手を出した相場にも失敗して家や土地まで手放して仕舞います。
さらにお絹に悪い病をうつして死に、お絹は毛が全部抜けて丸坊主になり、乞食同然の暮らしをしています。
話を聞いた鶴吉は、改めてお絹と夫婦になり、必死に稼いだ金で、ざこ八の小間を借りて米屋を開きます。
一方、上方で十年間稼いだ二百両を元手に米相場をやると、大当たりでどんどん増えて数百万両にもなり、
ざこ八の屋敷を買い戻し、以前より大きな店を持つことが出来ました。
ある日、出入の魚屋の魚勝が立派な鯛を持ってきました。
鶴吉が三枚に下ろしてくれと言うと、お絹が先の仏の精進日だから駄目と断る。鶴吉が、ドラ養子の命日なんか関係ないと怒り出す。
魚勝が止めに入って「女将さんが先の仏先の仏というから、今の仏が怒っちゃう」
『能書』
上方の噺ではこの先もあり、
夫婦の冷戦は続き、鶴吉が板前を大勢呼んで生臭物のごちそうを店の者にふるまえば、
お絹はお絹で意地のように精進料理をあつらえ始める。
一同大喜びで、両方をたっぷり腹に詰め込んだので、腹一杯でもう食えない。
満腹で下も向けなくなり、
やっとの思い出店先に出ると、物乞いがうずくまっている。
「なに、腹が減ってるって? ああうらやましい」
と言うオチです。
『ネタ』
粉糠三合とは、わずかな財産の例えで、
ほんの少額でも金があるなら、割に合わない婿になど入るな、という戒めです。
「蛇足」
死んだ先妻や先夫のことを「先の仏」と言うそうですが「柳多留」には「後添えは先ンの仏を耳にかけ」とあるそうです。