『おしくら』
今日は「三人旅」より「おしくら」です。
『原話』
上方落語の「東の旅」「西の旅」シリーズに相当する、江戸っ子の「三人旅」シリーズです。以前はかなり噺があった。と言われていますが、現在では発端・神奈川(別名 びっこ馬)と「鶴家善兵衛」京見物(「東男」「三都三人絵師」「祇園祭」「およく」の4つに別れます)だけが残っています。
『演者』
明治の三代目蝶花楼馬楽師と四代目橘家円喬師が得意としたそうです。
最近でも寄席などで演じられますが、「発端」や「鶴家善兵衛」あたりが主でこの噺までは中々演じられませんね。
個人的には故桂文朝師がよく演じていました。
『ストーリー』
ある男が無尽に当たり思わぬ大金が入ったので、友達二人を誘い、伊勢参りに行く事にします。
途中で疲れて馬に乗ったら馬子さんにからかわれたり、馬子さんから頼まれた鶴屋善兵衛と言う宿に泊まったりします。
さてその晩、飯盛女の事を尋ねると女中さんが2人しか居ないといいます。
後一人何とかならないか、と云うと
「居ることは居る」
といいます。
「居れば良いんだよ」「でもちょっと年増ですが・・・」
「年増結構!でいくつだ?」
「去年米の祝いをしました」
「え〜なんだそりゃ」
と思ったものの、一人だけ場所が離れだと聞き、これを源ちゃんにあてがわせ様とします。それを知らない源ちゃんは、江戸の粋な年増と聞き、それを選んで仕舞います。
翌朝、楽しんだふたりは、旅立つに当たり、
「帰りも寄らしてもらうぜ、こりゃ少ないが、女は髪が大事だ、髪油でも買ってくんな」
と言って相方に祝儀を渡します。しかし、源ちゃんひとりがむくれていました。
「相手は八十三歳のババアだぜ、夜中に三度も厠へ連れて行ってやったのは俺の方だぜ」
それでも、やりなよと仲間から責められます。源ちゃんは仕方なくやろうとしますが、比丘尼なので頭に毛がりません。そこで
「じゃあ少ねえが、これで仏壇に灯明でも買ってあげてくんねえ」
『能書』
馬楽師は行きを中山道でいくので、多少違っています。
今でも中山道での噺として演じる噺家さんもいます。
通常はこの「おしくら」は小田原の噺として演じられます。
『ネタ』
「三人旅」の中でも艶笑色の強い噺です。
戦後では金馬師、圓生師や、小さん師が有名でした。
上方落語では『浮かれの尼買い』という題名ですね。
「蛇足」
「飯盛女」とは、宿屋が本業の宿泊のほかに、夜のサービスを行う、という体裁でした。
やっぱり色んなとこをおしくらするからでしょうねえ。
今日は「三人旅」より「おしくら」です。
『原話』
上方落語の「東の旅」「西の旅」シリーズに相当する、江戸っ子の「三人旅」シリーズです。以前はかなり噺があった。と言われていますが、現在では発端・神奈川(別名 びっこ馬)と「鶴家善兵衛」京見物(「東男」「三都三人絵師」「祇園祭」「およく」の4つに別れます)だけが残っています。
『演者』
明治の三代目蝶花楼馬楽師と四代目橘家円喬師が得意としたそうです。
最近でも寄席などで演じられますが、「発端」や「鶴家善兵衛」あたりが主でこの噺までは中々演じられませんね。
個人的には故桂文朝師がよく演じていました。
『ストーリー』
ある男が無尽に当たり思わぬ大金が入ったので、友達二人を誘い、伊勢参りに行く事にします。
途中で疲れて馬に乗ったら馬子さんにからかわれたり、馬子さんから頼まれた鶴屋善兵衛と言う宿に泊まったりします。
さてその晩、飯盛女の事を尋ねると女中さんが2人しか居ないといいます。
後一人何とかならないか、と云うと
「居ることは居る」
といいます。
「居れば良いんだよ」「でもちょっと年増ですが・・・」
「年増結構!でいくつだ?」
「去年米の祝いをしました」
「え〜なんだそりゃ」
と思ったものの、一人だけ場所が離れだと聞き、これを源ちゃんにあてがわせ様とします。それを知らない源ちゃんは、江戸の粋な年増と聞き、それを選んで仕舞います。
翌朝、楽しんだふたりは、旅立つに当たり、
「帰りも寄らしてもらうぜ、こりゃ少ないが、女は髪が大事だ、髪油でも買ってくんな」
と言って相方に祝儀を渡します。しかし、源ちゃんひとりがむくれていました。
「相手は八十三歳のババアだぜ、夜中に三度も厠へ連れて行ってやったのは俺の方だぜ」
それでも、やりなよと仲間から責められます。源ちゃんは仕方なくやろうとしますが、比丘尼なので頭に毛がりません。そこで
「じゃあ少ねえが、これで仏壇に灯明でも買ってあげてくんねえ」
『能書』
馬楽師は行きを中山道でいくので、多少違っています。
今でも中山道での噺として演じる噺家さんもいます。
通常はこの「おしくら」は小田原の噺として演じられます。
『ネタ』
「三人旅」の中でも艶笑色の強い噺です。
戦後では金馬師、圓生師や、小さん師が有名でした。
上方落語では『浮かれの尼買い』という題名ですね。
「蛇足」
「飯盛女」とは、宿屋が本業の宿泊のほかに、夜のサービスを行う、という体裁でした。
やっぱり色んなとこをおしくらするからでしょうねえ。