はじめのブログ

落語好きの中年オヤジが書いてる落語日記

2012年12月

御慶!御慶!御慶!

gyokei001今日は「御慶」です。
今日は今年の最後なので、それにふさわしい噺「御慶」です。

 富に凝っている八五郎が年の瀬に梯子の上に鶴が止まっている夢を見たので、鶴一八四五番の札を買おうとして、女房の着物を脱がして質に入れて買いに行ったが売り切れだった。
 帰り道で易者に見て貰うと梯子は下から上に昇るものだから、八四五ではなく逆に鶴一四五八番を買いなさいと教えられる。
 買って見るとなんとこれが千両の大当たり。現金だと二百両割引かれるが二月までは待てないので、その場で八百両を身に着けて家に戻った。
 たまっていた店賃を払って、正月には裃を着て年始回りに出掛けることにした。長い口上は覚えられないので、短い年始の言葉を大家に教えてもらった。「おめでとうございます」には「御慶」と答え「どうぞお上がりなさい」と誘われたら「永日」と断る。
 正月になって、得意になって行く先々で御慶と永日の挨拶を続けるが、辰っつあんが外出から帰って来たところで「御慶」と言ったら「なんと言ったか分からねぇ」と言われ
「ぎょけぇったんだ」「恵方参りの帰りだ」

暮れから正月にかけて話が通じているのはこの噺だけですね。
それだけ珍しいとも言えます。
但し、思った程高座には掛けられない噺だそうで、噺家さんいわく「儲からない噺」だそうです。
CD等では小さん師や志ん朝師が有名でいい出来ですが、私は断然この噺は小さん師だと思っています。
なんたって、最後の「御慶」三連発が可笑しいです。
個人的には小さん師のくすぐりでも屈指だと思います。

富くじが二ヶ月待てば全額貰えたと噺の中では言ってますが、実際は寄付金を取られ、次回の富くじを大量に買わされ、2〜3割は減らされたそうです。世の中旨い話はそうは無いと言う事ですね。
続きを読む

一年の最後は・・・どう過ごしますか?

HITO-3今日は「掛け取り」です。
ものの本によりますと、初代林家蘭玉師の作と記載されていまして、その後2代目桂蘭玉師が大きくアレンジし、
現在の形に近い物になったそうです。
最も最近は演者の得意な芸を入れて演じられていて演題も単に「掛取り」と表記される事が多いです。

八五郎の家は大晦日だというのにお金がありません。そのことで女房と喧嘩になりそうなので、
困った八五郎は借金取りの好きな趣味で断りをしてやろうと思いつきます。

狂歌マニアの大家相手には「貧乏をすれど我が家に風情あり、質の流れに借金の山」などの狂歌を並べ、
最後は歌舞伎の菅原伝授手習鑑のパロディに持ち込んで返済の延期を約束させてしまいます。

魚屋の金公には、喧嘩っ早い相手の性格を利用。「借金をとるまで梃子でも動かない!」と言ったのを逆手に取り、「金が入るまで、そこに何十年でも座っていろ!!」とやり返して結局借金を棒引きにさせてしまう事に。

芝居好きの酒屋の番頭には、番頭を仮名手本忠臣蔵の上使に見立てて招きいれ、近江八景の駄洒落で言い訳した後芝居がかりで追い払ってしまうと言う離れ業。

三河屋の旦那には、旦那を三河万歳の「才蔵」に見立て、萬才の調子で「待っちゃろか。待っちやろか。待っちゃろかと申さあば。ひと月ならひと月目、二月なら二月目、こけら〜じゃどうだんべえ。」「なかなか、そんなことじゃあ〜勘定なんかできねぇ」「できなけれぇば、待っちゃろか」の掛け合いに持ち込み、最後には呆れた旦那が「ならばいつ払えるんだ」と問うと、「ああら、ひゃーく万年もォ、過ぎたなら(払います)」

元は上方落語ですが、上方では「掛け取り」または「天下一浮かれの掛け取り」という題で演じられます。
ちなみに、初期の型では八五郎が自宅内に篭城してしまい、困った掛取りが隣の主人に「火事だ」と叫んで追い出してくれと頼むが、八五郎が窓から五十銭出して「これで火を消してくれ」とやり返してしまうと言う落ちが使われていたそうです。

昔は掛売りですから、大晦日に払わなくてはならず、まとまったお金が必要でした。
そのお金が無い!と言うのですから一大事な訳です。
三代目金馬師は払いを節分まで延ばし、演題も「節分」と言う題で演じていました。

落語協会副会長の柳亭市馬師は得意な歌で、それも三橋美智也さんのファンと言う人を登場させて、噺の中で思う存分歌っています。
とにかく芸達者な演者に掛かると、この上なく楽しい噺です。
続きを読む

「東京かわら版」25年1月号より

img110今日は「東京かわら版」平成25年度1月号から紹介しましょう。

まず、表紙はご覧の通り好楽師です。

・落語と私は あの養老孟司センセイです。
幼い頃から落語が好きだったそうで、高校の文化祭では「元犬」をやったとか。
枝雀師のマクラに感心していて理屈を壊した処が天才的だと書いています。
その論理で好きな演目は「蒟蒻問答」が好きだそうです。

・インタビューは 三遊亭好楽師です。
ご自身が建てられた「池の端しのぶ亭」と言う寄席の事を中心に語っておられます。
後は初の著書「好楽日和」の事など。

・新年のお楽しみ「演芸クイズ」が今年も乗っています。
我こそは、と思う方は是非!

・兼好さんのコラムは噺家の新年の迎え方についてです。

・若手の紹介は 神田松之丞さんです。

・地域寄席の紹介は、相模大野lにある焼肉屋八起で開催されている「八起寄席」です。これ以外と知られて
い ますね。有名です。

・噺の紹介は、ご存知!「火焔太鼓」 もう何も言いますまい。志ん生師の作った傑作です。

・堀井ちゃんのコーナーは、「寄席・落語会でよく聞くネタランキング」です
一応、1〜10位まで。
1.子ほめ、2.時そば、3.初天神、4.たらちね、5.替り目、6.金明竹、7.粗忽の釘、8.真田小僧、9.転矢気、
宮戸川となっています。9位が二つですね。
逆に言えば寄席行ってこの噺は出てこなかったら、大変貴方は素晴らしい日に出くわした。と言う事でしょう。

・ニュースはやはり小沢昭一さんの訃報と、DVD「小三治大全」の発売のお知らせですね。
1970年から2000年までの間に「落語研究会」で演じた高座の中から厳選した演目を京須さんの余計な解説
付きで発売するそうです。・・・んなんか間違えました。
とりあえず今回は(上)で22演目800分だそうです。あ、そうそう、ソニーからの発売です。
でもこの記事値段が書いて無い・・・どうした?

・後は落語の放送予定と、各寄席の出番が載っています。

・最後のページでは、マジックのステファニーさんの小泉ポロンさんを紹介しています。
ステファニーさんはですねえ・・・マジックが成功するか?良いうドキドキもそうなんですが、衣装に結構
ドキドキさせられます。スカート短か過ぎるんだもん! あれは目の保養いや毒です。ハイ
今月はこんな処で・・・・
続きを読む

夢金、金てお金の事だよね

img_462095_28986087_0今日は「夢金」です。
今日、明日は、寒いので体調管理にはお気をつけください。

原話は、安永2年(1773年)に出版された笑話本・「出頬題」の一遍である『七福神』。別題として「欲の熊蔵」「錦嚢」などがあります。

欲深い船頭の熊は、今夜も二階で「百両欲しい」と寝言を口にしながら眠っています。
雪の降りしきる静かな晩だけに、金勘定をしているのではと、泥棒に勘違いされはしないかと気が気でない船宿の夫婦。
その時、おもむろに戸を叩く音がします。ようやく戸を開けてみると、文金高島田を身に付けた綺麗な女性を連れた、およそその相手に似つかわしくない浪人風情の男が立っています。
事情を聞くと妹を連れての芝居鑑賞の帰りで、屋根船をあつらえたい旨を伝えてきたが、肝心の漕ぎ手がいないからと、一旦店の者は断るのですが、そこに聞こえてきたのが熊の寝言で、ならば酒代をはずむからということで、熊を船頭にいざ出発します。
舟が進み始めてしばらくした時、男が熊に相談を持ちかけてきたのですが、その内容は連れている女は妹でもなんでもなく、懐に大金を持っているから連れてきたということで、熊の欲深いところを見込んで二人で殺して金を山分けしようという、とんでもないものでありました。
駄賃を2両くれるというのですが、武士が泳ぎが出来ないと分かると、人殺ししてまで金は欲しくないし、2両とはしみったれているので嫌だと、震えながら交渉。
すると山分けにしよう、と相談が決まった。船の中で殺す訳にはいかないので、中洲に降ろしてそこで殺す事に決まりました。
浪人をまず中洲にあげといて、とっさに船を大川に引き戻し、「もー少しで、上げ潮になって背が立たないぞ〜」悪態を付きながら船をまなべの河岸に着けて、色々聞くと本町のお嬢さんと分かりました。
 家に連れて行くと、大騒ぎの最中。お礼は後日伺うが、まずは身祝いと酒手を差し出します。
どうせ殺しを手伝っても、その後で斬り殺されてしまうのが関の山と、断りつつ受け取ったが、失礼な奴でその場で包みを破いて中を見ると、50両が二包み。「100両だ! ありがてぇ」両手でわぁ!と握りしめると、あまりの痛さで目が覚めた。
「アァ…夢だ」

タイトルにあるように夢を題材にした噺。
そのタイトルからネタ割れしてしまうのですが、果たしてどこからどこまでが夢の中の出来事なのか、そのあたりを想像しながら噺を楽しみたい噺ですね。
サゲに来て、「夢」と「金」の正体が分かる仕組みになっていますが、最近ではあまり綺麗なサゲでないと言われているので、貰った金を手にして「百両〜」と叫んで、目が覚めるといったサゲなどが一般的になっています。

男が頼んだ船は”屋根船”と言います。
屋根船とは、屋根のある小型の船で、屋形船より小さく、一人か二人で漕ぐ屋根付きの船。夏はすだれ、冬は障子で囲って、川遊びなどに用いた船で、別名、日除け船とも言いました。続きを読む

鰍沢と言う噺

kajikazawanofuji今日は季節なので「鰍沢」です。
この噺はよく知られている様に、圓朝師が「酔狂連」の会合で「卵酒・鉄砲・毒消しの護符」の題で作った三題噺です。
原話は道具入り芝居噺として作られ、その幕切れは、「名も月の輪のお熊とは、食い詰め者と白浪の、深きたくみに当たりしは、のちの話の種子島危ないことで(ドンドンと水音)あったよなあ。まず今晩はこれぎり」
となっています。

身延山の参詣の帰りに大雪で道に迷った旅人が、山中の一軒家に宿を頼む。そこにいたのは妙齢の美人でした。
卵酒を勧められて話をするうち、お熊と名乗るその女が吉原の遊女であったことが分かります。

旅人は疲れて横になると、お熊は外に出ていって仕舞います。
そこに帰ってきたのがお熊の亭主、残された卵酒を飲んだのですが、苦しみ出します。
そこへお熊が帰って来て言うには、、旅人に毒入りの酒を飲ませて殺し金を奪い取る算段との事でした。
それを聴き、毒が回った身体で必死に逃げる旅人。
たまたま持ち合わせていた身延山の毒消しの護符を雪とともに飲み込み身体の自由が利くようになりましたが、そこへお熊が胸まである雪の中を鉄砲を持って追いかけて来ます。

吹雪の中、鰍沢の断崖に追い詰められ、もはやもうこれまでと思った時、雪崩が起こり旅人は谷底へ、運よく川につないであった筏に落ち、その反動で綱が切れ、筏は急流を下ります。
材木に掴まりお題目を旅人が唱えていると、お熊の放った鉄砲の弾が襲うが、近くの岩に当たり窮地を脱する。
「この、大難を逃れたも、お祖師さまのご利益。お材木(お題目)で助かった」

名人と呼ばれた四代目橘家圓喬師が得意とし、その高座は伝説となっています。
文楽師・・・「・・・耳にこびりついているから、演れったてとても出来はしませんよ。・・・急流のところでは本当に
激 しい水の流れが見え、筏が一本になってしまうのも見えた。」
志ん生師・・・「さっきまで晴れていたのが雨音がする。『困ったな』と思ってたら師匠が鰍沢の急流を演ってた。」
等枚挙にいとまがありません。
わずかにSPで残された圓喬師の音源を聴いても立て板に水な事は分かります。

さて、この噺の最大の矛盾点について書きましょう。
最初に毒を飲んだ旅人が毒消しのお陰とは言え、蘇生したのに、後から飲んだ亭主が亡くなってしまうと言うのは何故なのか?
底にあった方が濃いから重くなるのか?
そこがまいち判りませんね。
それから、胸まである雪の中を、体が満足に利かない旅人と女性でしかも鉄砲を持ったお熊が追いかけっこ出来るのでしょうか?
「まあ、そういう処を突っついてはイケないんだ!」
と、云われればそうなんですが(^^)

最初の疑問については、実はこの噺には続編がありまして、歌舞伎作者の黙阿弥が、「花火」「後家」「峠茶屋」
と言う題で三題噺を作りました。
正式な題は、「晦(みそか)の月の輪」と言うのだそうです。
筋は、毒から蘇生した亭主が、お熊と信濃・明神峠で追剥を働いているところへ、偶然旅人が通りかかり、
争ううちに夫婦が谷底へ転落するという筋立てですが、明治以後ではあまり、演じられた形跡もなく、
芝居としての台本も無いそうです。
続きを読む
記事検索
最新コメント
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

livedoor プロフィール
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ