らくご はじめのブログ

落語好きの中年オヤジが書いてる落語日記

2011年05月

落語は伝統芸能じゃない?

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一昨日ですが、日本橋高島屋に用事がありまして、午前中に行きました。
用事を済ませて、浅草の昼席に行こうと思い、歩きだしました。
何となく地下鉄には乗りたくなかったので、行ける所まで歩こうと思い、
携帯プレーヤーで、圓生師の「髪結新三」を聴きながら歩き出しました。

日本橋で先日夕方のニュースでやっていた、ハトバスの新しい企画「江戸の街を歩く」と言う様な事を放映していましたが、丁度その一行が日本橋で解説を受けていました。
「髪結新三」は丁度新三が番頭さんを足蹴にした処です。(^^)

途中秋葉を少し見て、結局浅草まで歩いてしまいました。
「髪結新三」は終わってしまったので、稲荷町の「二つ面」を聴いてました。
で、前置きが長くなりましたが、今日は大問題の「落語は古典芸能じゃない?」と言う事を少しね。(^^)

現落語協会の会長柳家小三治師が「もうひとつ ま・く・ら」の中で、こんな事を述べています。
以下引用

よく伝統芸、伝統芸なんて事を言いますが、あたしは落語なんてぇものは伝統芸ってほどのもんじゃないと思っていますよ。
ま、筋書きぐらいは残っていますが、それにまあ登場人物のからみとかね、そういうものはありますが、決して伝統を守ろうなんていうね、気構えはいささかもないんでございましてね、なくなるもんなら、すぐにでもなくなっちゃえばいいわけです。面白いうちは人が面白いと思って聴く訳ですから。

で、あたしなんぞ面白いと思うからやるんでね。面白く無いと思ったらいかに歴史的実績があるような噺でも、あるいは考古学的な価値があるか。そんなものが落語にある訳ありませんけども(笑)、なかにはそうおもっている人もいるんでねぇ。
落語を聴くと江戸時代がわかるなんて、とんでもないですよ(笑)わかるわけがないんですよ。

引用終わり

まあ、まだ続くんですが、亡くなった圓生師の言葉が本当の江戸の言葉だと言う人もいるが、そんな事はないんで、あの人は大阪生まれですから・・・・
ただ、その時聴いて「ああ面白いなあ〜」と感じてくれれば良い・・・と

こんな事をの述べられていました。談志師は落語は大衆芸能だと著書でいっていた事もありましたね。
伝統芸じゃないと否定されたら、落語は単なる独り言を聴いて楽しむ芸ですかね?(^^)
辞書等で、「伝統芸能」と引くと

民族固有の文化に根ざした、古典的な芸能。
特に日本の伝統芸能のこと。明治時代に西洋芸術が移入された後、その影響を受けずに独自に発達した芸能を指す。狭義では舞台芸能のみを指すが、広義には、まつり等で演じられる地域に伝承する演劇、民舞、祭囃子等を含んだり、和歌・俳句や書道、茶道、華道等の芸事を含むことがある。
となっています。
まあ、舞台芸能って落語も入りますかねえ・・・・

小三治師が言いたかったのは落語は今でも生きていると言う事なんでしょう。
代々受け継がれてきた型を習得し次世代に渡して行くという行為だけではなく、
演者によって変わる可能性のある芸能と言う事であり、この先も変わる可能性を秘めていると言う事なんでしょうね。(^^)
それの是非はあると思いますがねえ・・・・


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浅草演芸ホール5月下席3日目

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子供の頃、今の圓歌師が、歌奴だった頃子供ながらも「粋でいい名前だなぁ〜」と密かに思ってました。(ませたガキだね)(^^)
それが圓歌になって、「何だか偉そうな名前になちゃったんだなぁ〜」と思った事を思い出しました。
そんな訳で、圓歌一門が登場する浅草に行きました。行ったら、歌之介師匠休みで、代バネはしん平師でした。

午前中は用事があったので、それを済ませて行くと、丁度我町の師匠小袁治師が高座に上がった処でした。
演目は「紀州」で、何か時間が押してるにも関わらず、ゆっくりと演じてました。
今日のお客は反応が良い客で、きっと噺家さんがここで笑って欲しいと思った処で笑う客だと思いました。
こうゆう日はえてして、噺家さんがいい高座を努めてくれるモノです。

駒三師が「親子酒」でこれがよかったですねえ。父親が粋な酒飲みなんですよね。これは初めてでした。
扇橋師の時、前座さんが座布団を普通の位置よりマイクに近づけて敷いいていたのが可笑しかった。(^^)
演目は「穴泥」でした、ちゃんと演じてましたよ。
そして市馬師が「粗忽の釘」でこれがまたよかったです。ここまででもう儲け物。
行水のシーンで「とんこ節」を歌いました。(ヤッパリネ)
紙切りの正楽師の後は若圓歌師でした。何か漢字にまつわる話しでしたが、落語や漫談と言うより講演みたいな感じでしたね。客席は湧いてましたが・・・・
次は夜の部の川柳師が登場で「ガーコン」いやその声の大きい事。元気いっぱいです。もう絶叫でした。
ここで仲入り、客席は二階まででいっぱいです。
食いつきは、最近TVにでてる歌橘さんで、「子ほめ」ちゃんと一席やりました。
それから歌司師が漫談、圓窓師が季節的には?の「雛鍔」これを時間が押してるにも関わらずたっぷり演じましてねえ後が大変でしたねwww
トリはしん平師で「お血脈」これが声が大きくてねえ・・・マイクいらないんじゃないのと言う感じでしたね。
噺は面白かったですよ。ん、ホント!

時間が押してるので、すぐ夜の部が始まります。
夜の部は二階が閉められ一階のみの営業です。その為立ち位置も無いくらいの満員です。
前座さんが、林家扇(はやしや せん)さんで、初めてみた!「真田小僧」でしたが、人の入れ替わり中でほとんど誰も聴いてなかったなぁ〜。
まあ、前座の割には目線の使い方はちゃんとしてましたね。
初音家佐吉さんが「たらちね」、蜃気楼龍玉さんが「ぞろぞろ」でこれは、拾い物!
故八代目正蔵師の型で、きっちりと演じてました。中々よかったです。
ベテラン春風亭栄枝が漫談、三桝家小勝師が漫談(こないだと全く同じでした)
そして、九代目正蔵ことこぶ蔵くんが登場!
(菖蒲浴衣はやめてほしいなと何時も感じます。)
演目は今日も新作で「読書の時間」これは三枝師の作で、王楽さんでニコで見ましたね。
噺事態が面白く出来てるので、笑いは取ってました。それだけ(笑い
「新作で逃げてる」と言う声は今日もよく聞きましたね。みんな古典を期待してるんですよ”正蔵”には。ねえ。
ここで体力の限界とガッカリで帰宅しました。

追伸・・・今日でブログを初めてから1000日だって、livedoorが教えてくれました。(^^)続きを読む

厩火事について

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スーパーや八百屋の店頭に早くもトウモロコシが並び始めましたね。
ウチの近所では二本パックで370円位ですねえ。
そこで、今日はトウモロコシが出て八代目文楽師の十八番「厩火事」につて書いてみました。

売れっ子の女髪結いのお崎さん(お先と書く方も居ます)が主人公ですね。
女性が主人公って珍しい?
あらすじは・・・
髪結いで生計を立てているお崎の亭主は文字通り「髪結いの亭主」で、怠け者。
昼間から遊び酒ばかり呑んでいる年下の亭主とは口喧嘩が絶えません。
しかし本当に愛想が尽き果てたわけではなく、亭主の心持ちが分からないと仲人のところに相談にやって来ます。。
話を聞いた仲人は、孔子が弟子の不手際で秘蔵の白馬を火災で失ったが、そのことを咎めず弟子たちの体を心配し弟子たちの信奉を得たと話と、瀬戸物を大事にするあまり家庭が壊れた麹町の猿(武家)の話しをします。
そして目の前で夫の大事な瀬戸物を割り、どのように言うかで身の振り方を考えたらどうかとアドバイスをします。
帰った彼女は早速実施、結果夫は彼女の方を心配します。
感動したお崎が「そんなにあたしのことが大事かい?」と質問すると、
「当たり前だ、お前が怪我したら明日から遊んで酒が呑めねえ」

とまあ、皆さんよくご存じですよね(^^)
このお崎さん、可愛い女性ですねえ・・・こんな女房なら”髪結いの亭主”になってみたい・・って(^^)

文楽師匠の演出を「ちょっと説教クサイ」と言う評論家のかたもいますが、
仲人は本気で心配しているので、あれぐらいで良いと私は思います。
気をつけなくてはならないのは、亭主が体を心配するシーンで、お涙ちょうだいのあざとい演出にしている噺家さんがいる事ですね。
ここをクサクすると、サゲのからっとした笑いが消えると私は思うのですが・・・如何でしょう?

この後もこの二人は何とかやって行くんでしょうね。(^^)


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色物さんについて

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今日はですねえ、色物さんについて書いてみたいと思います。
え〜色物さんとは、寄席で、落語、講談以外の演芸全般をやる芸人さん及びその芸能の総称ですね。
つまり、漫才、漫談、手品、大神楽や曲芸に始まり、声帯模写、声色、俗曲、民謡、物真似、そして紙切り等ですね。
その中でも、寄席のトリの前に出る方を「膝がわり」と言います。
これは難しい位置で、トリの噺家さんより受けてはいけない、かといって飽きさせては駄目で、お客の注目をそらさない様にしなくてならないのです。
おまけに、もしトリの噺家さんが遅れたりしたら、つないで高座を務めなくてはいけませんし、来られなかったら、替りを努める事もあるのです。
ですからこの位置に居る色物さんは真打格でなくてはいけません。
昔は噺家さんによって、お気に入りの色物さんが決まっていたそうです。
三味線漫談の小円歌姐さんが「東京かわら版」のインタビューで、寄席の膝について次の様に語っています。
「ヒザの時はもうお客さんの心はトリに向かっていますし、だからトリの師匠の前の噺家さんを消して、トリが上がりやすくするって言うのがヒザの色物の役割だと思ったんですね。」
でも姐さんはそれだけじゃ悔しいので、チョットは自分が光る事もしてるそうです。

なぜ色物かと言うと、寄席のびら(演題を書いた紙)で、落語、講談の演目は黒文字で書かれいますが、それ以外は色文字(主として朱色)で書かれていたから、色物と呼ばれる様になりました。(wikiにははめくりと書いてあって間違いです。めくりは高座の脇にありますが、今でも演者は黒で書かれています。)
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今でも↑の様に朱色で書かれています。これは番組表です。

先代の江戸屋猫八師匠は最初は落語協会に在籍していたのですが、色物では寄席のトリが取れないので、トリを取らせてくれる芸協に移籍しました。
そして猫八噺と題した物真似と自分の体験を元にした語りをして好評を博しました。

現在では、紙切りの正楽師が襲名披露した時にトリを取りましたし、現猫八師も襲名披露の時はトリを取りました。これかもこう云ったトリの取り方は増えていくでしょうね。(^^)

だからTVに出ているひな壇芸人達の事を色物とは言いません(本当はね)

因みに私の好きな色物さん、漫才は、昭和のいるこいる、あした順子ひろし、ロケット団、ナイツの皆さん
紙切りの正楽師、三味線漫談の小円歌姐さん、柳家紫文さん、桧山うめ吉さん、ウクレレ漫談のピロキさん
ん〜、ありすぎて書けませんww要するにみんなですね。(^^)続きを読む

宿屋の富

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今日は暦で、小満と言い、草花が成長し生い茂る季節だそうです。
でもこの”小満”で我々落語ファンが思うのは、
柳家小満ん師匠ですね・・・そうだ、月曜は寄席いこう!(^^)

ところで、サマージャンボ宝くじが発売になりました。
僅かですが何時も買っているのですが、当たった試しが無いと言う・・・
ほとんどの方がそうでしょうねえ(^^)
それこそ、一等なんて当たったら、志ん生師でないけど、”すわりションベンして馬鹿”になっちゃいますね。(^^)

そこで、「宿屋の富」上方では「高津の富」です。
富籤関係の噺はほとんどが暮れの噺ですが、これだけはよく判らない?
主人公が江戸へ出て来るので、春から今頃かも知れないと思い、記事にしました。(無責任だなぁ〜)

江戸では何と言っても志ん生師にとどめをさします。
あらすじとしては、 地方から出て来た男が、「田舎の大金持ちだ」と出まかせを言って宿屋に泊まり、副業に富くじを売っている亭主に一枚買わされる。ところがそれが大当たりとなって・・・・と言う筋ですね。

特におかしいのは、この男の口から出るデマかせが大げさで可笑しいですね。
又、それを正直に信じる宿屋の親父も可笑しいですね。
この辺はお客に呆れられない様に演じるのも難しいですね。
また、神社で突富を待っている男達の描き方も最高に可笑しいです。
特に、二番富が当ると信じている男の妄想が悲しい程可笑しいですね。(^^)

柳家は、椙森(すぎのもり)神社、古今亭は湯島神社で演じています。
上方では宿屋は北船場大川町(江戸は日本橋馬喰町)で、神社は大阪市中央区にある高津神社となっています。ここは「高倉狐」「崇徳院」の舞台にもなりました。
又、古くから大坂の人々の文化の中心として賑わっていたそうです。

話芸として優れているなぁ〜と感じるのは、二番富の抽選の時の口調ですねえ。
「おんとみ〜子の〜」と言う場面で、実際はああもユックリでは無いのに、
志ん生師の優れた口調によりその男の心境になってしまう事ですね。
最後の七番と一番の違いまでこちらを惹きつけてやみません。(^^)

また、この噺では志ん朝師も志ん生師をも凌ぐテンポの良い口調で話しています。

実際、千両富と言うのは余り無かった様で、有っても札の額が高いので、
職人やひとり商人は高額すぎて買えず、10枚、20枚と分割して売り出す者も居たそうです。
後はお金を出しあって共同購入とか、盛んだった様ですね。
今もそうですね。共同で買って、当たったら山分けとかね。(^^)

また、噺では期限まで待てば全額貰えると言っていますが、実際は寄付として一割は取られたそうです。
また、次回の札を五両位は買わされたとか。
ウマイ話はそうそう無いと言う落ちでした。(^^)


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粋な寄席の見方

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え〜今日は粋な寄席の見方について考えてみたいと思います。

落語を生で聴くには、寄席か落語会に行かないと駄目なんですが、
稀に自宅に呼ぶなんて方もいらしゃいますが、それは置いといて・・・

まず落語会ですね。
開演少し前に会場に行きまして、受付のお嬢さんか若者に買っておいたチケットを渡して半券を貰います。
「後でノートに記念に貼り付けておこう」なんて思っても顔にもだしません。
ホールで売られているその師匠のCDやDVD、書籍なんかは殆ど買ってしまっているので、買う気は無いのですが
一応、目新しいブツは無いかと目をやりチェックはします。
 トイレに行き席に付きます。後は開演を待つだけだと安心をしていて、
周りを見るとCDを買ったおばさんが居ます。
「あ〜仲入りか帰りに買えば荷物にならなくて良いのに〜」と思っていると、
その、おばさんがCDの包装を破いてライナーノーツを読み始めました。
それを何と虫眼鏡で読んで居ます。
「なんて人だ!」と半分感心していると、それが鎖がついていて、
アクセサリーを兼ねていたりして面食らいます。
そんな事をしているうちに、一門の前座さんが開口一番で登場します。
「まあ、前座はこんなもんだろ」と思っていると、
もう次の噺家さんの出囃子が鳴っています。
聴いたこと無い出囃子だな・・と思うとこれが一門の二つ目さんで、
幾分かましな噺がきけます。
中には師匠より上手いんじゃない?なんて二つ目さんも居ます。
そしてやっと真打の師匠の登場です。
期待してると軽い噺で逃げられます。
仲入りで顔見知りに会い、「帰りに一杯どお?」なんて話しが盛り上がります。
「打ち上げに参加しよう」と言う事になり。密かに携帯で終電をチェックいたします。
次の公演のチケットの前売りを買い、席に戻ります。
色物さんの達者な芸に感心をすると、お待ちかねのトリの高座です。
さっきとは打って変わって、大ネタをたっぷりと演じてくれます。
心地良い満足感に包まれて打ち上げの店に向かいます。
思いの外、酒が進み、どうやって帰ったか覚えていません。
次の日は土曜で会社は休み・・・二日酔いの頭で、休みで良かった・・そう思います。

ま、これが中年オヤジの落語会の行動パターンでしょう(^^)え、違う・・・そうかな?
でもね、寄席はそうじゃないんですよね。
昼席と夜席、どちらを中心に見るのか?

よく、言われた事ですが、「末広の二時半あがり」と言いまして
昼席の仲入り前ですね、そこころに寄席にふらっと入るのが良いとも聞きましたね。
いつまでいるかですが、浅草や末広、池袋(上、中席)では昼夜通しで見ることが出来ますから当然その感覚で2時半なんて事をいったのでしょうね。
因みに、さん喬師も以前「さん喬は末広の2時半上がりがいい」なんて陰口を聞きましたね・・・
軽い滑稽噺は良いけどトリネタの大ネタは・・・と言う意味なのでしょうね。
寄席が良いのは、ふらっと入る事が出来るし、途中でも帰れる事ですね。
中には昼の前座さんから夜席の主任まで居る方もいる様ですが、体力いりますよ・・ホント。

まあ、粋なのはふらっと入ってイイトコだけ聴いてすっと出る。
そして帰りに軽く一杯やる。
そんな処でしょうかねえ・・・(^^)
理想はどこだww

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