kohacu.com_002480_20190731『碁どろ』
 今日はこの噺です。多分取り上げるのは初めてだと思います。

【原話】
元は上方落語「碁打盗人」で、明治中期に三代目小さん師が四代目桂文吾師に教わり東京に持ち帰りまました。

【ストーリー】
主人が、友人を呼んで碁を一局することになまります。前に碁に夢中になって畳を焦がしてしまったことがあり、その結果「碁は碁、煙草は煙草」と分けて、一局打った後にゆっくり煙草を吸おうと決め、二人は碁盤に向かいます。
 でも直ぐに「おい!煙草がないぞ!」
 と吸わないという約束も忘れてしまいます。そこは奥方、気を利かして、煙草盆に紅生姜を入れて女中と湯に行ってしまいます。。
 そうとは知らぬ二人、碁に夢中です。打ちながら煙草に火を点けようとしても紅生姜だから点きません。
「あれ!?おかしいなあ。点かねえ」
 と言いながらも、碁盤ばかり見つめています。
 そこへ一人の泥棒が入って来ます。二人は気が付きません。泥棒は仕事をして引上げようとしたら、パチリ!という碁石を打つ音がします。
 静かな夜更けだからとても響きます。何とこの泥棒も碁好きときているから、堪りません。
「あっ!やっているな。…手はどうかな。…あっ? それはいけない。もしもし、だめですよォ!」
 と、自身が泥棒に入ったのを忘れて、二人の対局に首を突っ込む始末。二人も、まさか泥棒とは気付きません。
「アンタ何言ってるの。これでなくちゃあ駄目なんだ。うるさいねえ。あれ? 知らない人だ」
と初めて気がつきますが、碁盤に目を落とします。そして
「お前は誰だいっと、いくか」
 とパチリ。何と相手も
「じゃあ。わたくしもお前は誰だいっと!」パチリ。
 そこで泥棒
「へへ。泥棒です」
「泥棒さんか」パチリ。
「よくいらしゃったねえ」とパチリ。

【演者】
柳家の噺家さんの他志ん朝師なども演じていました。
昭和では6代目春風亭柳橋先生や小圓朝師も得意にしていました。

【注目点】
柳橋先生は、このオチとは少し違っていて「これからちょいちょいいらっしゃい」とサゲていました。

『ネタ』
落語に登場する煙草盆は香道具から改良工夫されたそうです。江戸時代は女性も子供も結構喫煙していたそうですね。