昨日、浅草の昼席のトリに個人的に好きな茶楽師が出るので休日ということもあり見に行きました。
最近の浅草の昼席はかなり混んでいるので、立ち見を予想していましたが、13時過ぎに行っても空いてる席が少しあり座ることが出来ました。
 芸協としては助に、寿輔師や桂 伸治などが出るかなり力が入った番組だと思ったのですが、意外でした。まあ、座れて良かったのですがね(^^)
 桂 伸治師は「替わり目」でした。結構やるのですが、やりなれていると言うかこの人のは女将さんが良いですね。寿輔師は例のごとくお客さんをいじったのですが、逆にイジられてペースが崩れメロメロになりました。まあ、それも計算の内なんでしょうけどね。
 期待していた茶楽師は「子別れ」の下でした。「子は鎹」という奴ですね。
 師の「子別れ 下」は三回目です。トリとしては初めてですね。この人の特徴は兎に角粋に噺をすること。良い変えれば軽いのです。勿論、重いシーンはそれなりにやりますが、臭くはやりません。その塩梅が良いのです。
 で、三回目ではっきりと判ったことがあります。それは亀が母親に怒られて金槌でぶつと言った時に他の噺家なら泣くのですが、泣きません。泣きそうになりますが、泣かないのです。
 そこを物足りないと思うか、実際に二年近く母子だけで過ごして来たのですから、こんな場面では泣けないと成長したのかも知れません。
 あるいは、独楽を当てられて額に血を流した過去から見ると母親の愛情ある言葉では泣くことでは無いという事かも知れません。
 他の噺家の演出でも泣いてもすぐに泣き止むので嘘泣きかも知れませんね。最近は寄席でも臭くやる噺家が多いので返って印象に残りました。