45467ee4『藁人形』
今日はこの噺です。暑いのでね、涼しくなる噺をやりましょう。

【原話】
1773年の「挫楽産」の「神木」だそうです。

【ストーリー】
舞台は四宿の一つ千住です。
 乞食坊主の西念に女郎のお熊が身の上話をします。
「実家は糠問屋で大事に育てられたが、実家は燃えて両親は死んだ。
今、身受話があり、絵草紙屋を買うつもりだ。
あんたの死に水を取ってやるから父親代わりに一緒に暮らさないかい」と言います。
「ありがたい」と西念は喜ぶ。
 その後、訪れる度に小遣いを貰います。
ある日、「旦那が旅から戻ってくるまで、誰か四十両貸してくれないかねぇ」
絵草紙屋を他に売られると聞き、貯めた銭を西念が出した。
後日、西念が風邪薬を買いたいと頼みに行くと、騙されたと知って怒るが、
逆に叩き出されて顔に大怪我をします。
 家に引きこもった西念を甥の甚助が訪ねると、
「鍋を開けるんじゃねぇぞ」と言われたが、鍋の中には藁人形が油で煮られています。
「騙した女を呪い殺そうと七日間飲まず食わずの願をかけたが、お前に見られちゃもう駄目だ」
「呪の藁人形なら五寸釘を打つもんだろう」
「釘が利かねえ、糠屋の娘だ」


【演者】
八代目正蔵師や五代目古今亭志ん生師が有名ですね。今輔師もよく演じました。
今輔師の演出は凄いですよ、完全に怪談噺として演じています。
この噺は怖く無い筋なのに、怖く聴かせるのがチョイト大変ではなかろうかと・・・
個人的には人情噺風の演出の志ん生師がいいですね。

【注目点】
「黄金餅」で有名な西念さんが登場します。
って違う西念さんですね。
元鳶で、纏持ちだったそうです。
願人坊主と火消しの纏持ちじゃ天と地ほど違いますね。

『能書』
江戸時代に主に女子が嫉妬して人を呪うあまり神社等に丑三つ時に参拝して藁人形の急所に五寸釘を打ち込む「丑の刻参り」という風習が出来たそうです。

『ネタ』
個人的にですがこの噺の作者は「糠に釘」というオチが言いたいばかりに
これだけの噺を考えたと感じますねえ。
作者は完全に江戸っ子だと思います