86286f9d3月になったと言うのに寒い日々が続いていますが、皆様にはいかがお過ごしでしょうか? 季節の変わり目ですのでお体には気をつけて戴きたいと思っております。

 今日は先日「ラジオ寄席」でも流されました古今亭右朝師の「幇間腹」を聴いてみたいと思います。
 この話は安永9年(1780年)年に出版された笑話本『初登』の一編である「針医」だそうです。元々は上方落語の演目で、主な演者には2代目柳家小さんや5代目古今亭志ん生師等がいます。
 そのせいか古今亭一門と柳家一門の噺家さんが多く掛ける様です。

 あらすじは、あらゆる遊びをやりつくした若旦那が思いつた究極の遊びがなんと針治療の遊び!
さて、相手がいない・・・どうしよう、猫や壁、枕じゃ物足りない、人にやってみたいなあ〜と考え
思いついたのが、幇間の一八。
思いつかれた方はたまりません。一旦は断るのですが、針一本につき祝儀を弾むと言う。
おまけに羽織もこさえてくれると言う条件にしぶしぶ了解しますが、これが大変な事に・・・・

エピソードとしては、その昔黒門町がこの演目を取り入れ様として甚五郎を名乗っていた志ん生師の処に随分稽古に通ったそうですが、なかなかモノにならないのでついに諦めたとか。
でも黒門町の「幇間腹」聴いてみたかったですね。

 この針を打つシーンをやりすぎるとお客が引いてしまうので、加減が難しいそうです。

今回の右朝師の聴きどころは、一八が若旦那の今回の遊びが「針」だと知って「いよ〜!」と手を叩いて感嘆する場面です。都合三回やいますが、その都度声が段々上がって来ています。そこも注目してみて下さい。
古今亭右朝師で聴いて下さい

古今亭右朝 古今亭右朝 1948年11月2日 - 2001年4月29日、本名、田島道寛、出囃子は「小鍛冶」
1975年11月 - 3代目古今亭志ん朝に入門し「志ん八」を名乗る。1980年6月 - 二つ目昇進。
1988年6月 - 真打昇進 右朝、2001年4月29日 - 肺癌により死去