ph_ben04pop今日は落語に出てくる食べ物について少し考えてみたいと思います。
落語には色々と食べ物が出て来ます。
当時の庶民の感覚なので今とは大分違いますが・・・
その中でも、お弁当について少々書いてみます。

噺の中で有名なのが「子別れ 上」に出て来る、弁松の弁当ですね。
葬式の弁当なので、黒豆の強飯に精進物のがんもどきなどの煮染めが入った弁当の様ですね。
今の弁松には同じのは無い様ですね。
煮物中心の写真でも内容は、めかじき照焼、玉子焼、かまぼこ、豆きんとん、甘煮(つとぶ、はす、さといも、たけのこ、ごぼう、しいたけ、青身)、つくね、海老、辛煮となっており、がんもどきは入っていません。
ご飯も黒豆の強飯というのは無いですね。
最も黒豆の強飯というのが、最近では珍しいですね。
地方によってはあるのでしょうが、東京では見かけなくなりました。
小豆と違って黒豆でおこわを炊くのは難しいでしょうね。
まあ、正月の黒豆の煮物の様にシワが寄らない様にしなくて良いなら、そうでもありませんが・・・

この弁当は屑屋さんが熊さんの背中を押した為に汁が出てしまうのですが、濃い味が売りの弁松の弁当ですが、
これでは味がしないか、薄く感じるでしょうね。

私の頼りない知識では、弁当と云えば、「野ざらし」の後半に出てくる、釣り客が忘れて云った弁当ですね。
八五郎は流れてきた包を拾い上げて、開けてみると弁当でした。
さらに開くと、おかずは、焼豆腐の煮物という具合で、八五郎は美味しく戴きました。
いい味だったそうですww

後は弁当と云うのは具体的には出てきませんねえ。
弁当を食べるシーンはあっても具体的には触れられていないと思います。

味のしない、弁松か焼豆腐の煮物かですが後者は肉豆腐の可能性もありますねえ。
「付き馬」でも食べてますしね。ポピュラーかも知れません。
さて、どっちを食べましょうかねえ(^^)


音源は志ん朝師で「強飯に遊び」を聴いて下さい。音質が悪いので、申し訳ありません。

三代目古今亭志ん朝 昭和13年〜平成13年 享年63 出囃子=老松本名=美濃部強次 志ん生二男
1957年2月 実父5代目古今亭志ん生に入門。前座名 朝太 1962年5月 真打昇進