img_1387047_45376625_2今日は「坊主の遊び」です

「坊主の遊び」と言っても、お寺のお坊さんが山を降りて、廓に遊びに行く噺じゃありません。
まして、そこらへんの坊主のガキ大将のメンコやベーゴマ遊びの噺でもありません。
どういう噺かと言うと・・・・

坊主頭の隠居が吉原に遊びに出かけるが、自分一人で郭に行く勇気も無いので、酒癖の悪い職人を連れて出かける。
職人は悪酔いをして酒席の雰囲気は悪くなってくる。すっかりしらけムードになって仕方が無いので「お引け」ということに。

ところが、待てど暮らせど部屋には花魁がいっこうに来ない。
女郎がなかなか部屋にやってこないので面白くない。
夜が更けて、やっと女郎がやってきたと思ったら「わたしゃ寝にきたんだよ。体に触らないでおくれ」などと言って布団にもぐりこむ。
おまけに「わたしゃ坊主は嫌いだよ」と言うのであたまに来た隠居、懐にあった剃刀で、寝込んだ女郎にいたずらをする。
女郎の頭をきれいさっぱり剃り落としてしまったのだ。ふと我に返った隠居はことが発覚する前に、女郎屋をあとにする。
翌朝、店の者に声をかけられて目を覚ました女郎は、やっと目がさめて、寝ぼけて自分の頭に手をやり、
「あらやだ、坊さんまだいるじゃないの……」

今在は三遊亭圓歌師が高座に掛けています。
上方落語では「坊主茶屋」と言う題で掛けられていて、オチが違っています。

朝起きると、頭が寒いので頭に髪が無いのに気がつきます。女中さんがやってきて、
客を怒らせたのではないかと思うのですが、女郎さんの顔を見るとね。
鼻が落ちています。どこぞに転がっているのではと探しても見当たらない。
医者に行って取れないようにしてもらいなさいと言いますと、お女郎さん。
医者に行ってるけどさじを投げられていると言う。
「医者がさじを投げたら、後は坊主に決まっている。」とオチます。

噺の設定で、かなりの安い店の設定なので、多分瘡をかいてると思われます。
凄まじい描写もありますね。
東京はそこらへんは変えていますね。
写実で現実的な上方とあくまで粋を重んじる江戸と言う訳でしょうか。

江戸時代、齢をとった男性は髷を落として坊主頭にすることがあったそうです。
この噺に登場する隠居もそのうちの一人で、だから頭を剃るための剃刀が日常必需品であったということですね。
この辺を仕込んでおかないと辛いかな・・・・・





音源は志ん朝師で聴いてください