126046099819516204631_gonsukezakana1今日は、「権助魚」です。

上方が発祥で、「お文さん」「万両」の題名で演じられる噺の発端が独立したものですが、
いつ、だれが東京に移したかは不明です。

ある商家のおかみさんが飯炊きの権助を呼び出して訊ねごと。
「近ごろ、旦那の様子がおかしい。よそに若い女でも出来たんじゃないかとそう思っているんだが、お前なにか知らないかい?」
権助は何も知らないと言い張るが、おかみさんに一円の小遣いを握らされ
「旦那のお供をして、相手の女がどこの誰だか教えておくれ」という頼みを聞くことになる。

ほどなくして、旦那が用事で出かけるという。
おかみさんは無理やり権助を供に付け、旦那を送り出します。
勘の良い旦那は権助に「幾ら貰ったんだ?」とかまをかけ、二円の小遣いをやると
「家に帰って"旦那は日本橋の丸安さんと一緒に柳橋から船遊び。網打ちをしたあと、興がのって、そのまま湯河原へ遊びに行ったので今日はお帰りがありません"と報告するんだぞ」と命じます。
そして、網打ちをした証拠に、魚屋で網取り魚を買っておかみさんに見せろと言います。
旦那の命をうけた権助はその足で魚屋へ行くのですが、「網取魚が欲しい」と言うと、進められるままに、
鰊、やメザシ、かまぼこ、スケソウダラやタコ等を買って帰ります。

家に帰っておかみさんに云われた通り言いますが、時間が経って無いので、たちまちバレます。
「買ってきた魚を・・」と見せるのですが、
「みんな海の魚じゃないか」
どこの川にカマボコが泳いでるんだね」
と云われて仕舞います。
「こんな魚は関東一円じゃ取れないんだよ!」
「一円じゃねえ。二円で頼まれた」

他のサゲは、
どこの川にカマボコが泳いでるんだね」
「ハア、道理で網をブッて捕った時、みんな死んでた」
別のサゲは
タコは海の魔物だから、これを食べたら、どんな人間でも本当の事を言ってしまうので、権助に食べさせると言う。
 「さあ、お食べ」、「奥さん、その手は食わねえ」。

江戸時代に江戸湾でとれた魚は種類も豊富で、文字通り豊穣の海だったそうです。
記録に書かかれているのは、 江戸湾でとれた魚介類は主なもので以下の通りです。
 イナ、ボラ、イカ、サヨリ、サワラ、アジ、コノシロ、スズキ、ハゼ、マコガレイ、白魚、セイゴ、タナゴ、フッコ、エボダイ、カレイ、イワシ、イイダコ、星ザメ、ヘダイ、鯛、ブリ、鰻、ハマチ、サバ、サイショウフグ、マフグ、サメ、マルタ、キス、ウマズラ、アナゴ、ハマグリ、シジミ、アサリ、バカ貝(あおやぎ)、サザエ、トリ貝、シオフキ、車エビ、芝エビ、手長エビ、シャコ、カニ、海苔、等々沢山あります。
ああ、よだれがでそうww

落語には飯炊きの権助が活躍する噺がいくつかありますが、「権助提灯」「権助芝居」などと並んで笑いも多く口演頻度も高いのがこの噺ですね。
昇太さんはこの噺を「落語でないと表現出来ない話」と言っていました。

この噺は、この権助をどう描くかで決まりますね。
彼は山の地方の出身ですね。割合正直ですが、いくら何でも少し抜けていますね。
音源は昇太さんで聴いてください。
新作の昇太さんがどうこの噺を演じるかも面白いです。