img_562680_35954594_0今日は少し時期的に遅くなって仕舞いましたが、「権兵衛狸」です。
やっと涼しくなってきたので、この噺もいいでしょうね。

 田舎に住む権兵衛の家には、夜な夜な若い者が集まって、いろいろな話をして帰る。
 ある夜、みんなが帰ってから「権兵衛、権兵衛」と戸を叩く者がいるが、戸を開けると誰もいない。
狸の仕業だと踏んだ権兵衛が、戸を叩くタイミングに合わせて、勢いよく戸を開けると狸が転がり込んで来た。
取っ組み合いの末に狸をふん縛り、天井から吊るしておいた。翌日、訪れた村人が、狸汁にして革は襟巻きにしようと言うが、今日は父親の命日だから殺生はせず、逃がしてやるという。
 ただ逃がしたのではまた悪さをするから、躾のために背中と頭の毛を刈り取った。
背中に夜風が滲みたら悪さをしちゃ行けないと思い出せ、と逃がしてやった。
 夜になると「権兵衛さん、権兵衛さん」と、また狸がやってきた。今度は何のようだと尋ねると
「今夜は、髭をやっておくんなせぇ」

民話の様な噺ですが、れっきとした東京落語です。最近では上方でも演じられています。
志ん生師は王子の在として演じています。

でもね、この噺の最大の謎は、そもそも狸は何の用で権兵衛さんの所に来たのか?
恩返し?
権兵衛さんは「悪さぶちにやって来た」と言ってますが、年中こんな事があったのでしょうか?
それなら、最初から捕まえそうですが・・・
それから、この地方では狸は狸汁にするのがデフォなんですね(^^)
美味しいのか?狸汁。
熊は食べた事あるけど・・・・・
動画は先代馬風師で聴いて下さい。