butu02今日はけちな人の噺「位牌屋」です。
元は上方落語「位牌丁稚」が東京に移されたものとみられますが、詳細は不明です。
昭和以後では、六代目三遊亭円生師や、三代目三遊亭小円朝などが演じました。

ケチでは人後に落ちない赤螺屋のだんな。子どもが生まれ、番頭の久兵衛が祝いに来ても、経費がかかるのに何がめでたいと、小言を言う。
八百屋が摘まみ菜を売りに来ると、八貫五百の値段を、八貫を負けて五百で売れと言って怒らせ、帰ると、
こぼれた菜を小僧に拾わせて味噌漉しいっぱいにしてしまう。
芋屋が来ると、イモをただで三本も騙し取ったりという具合です。
小僧の定吉に、注文しておいた位牌を取りに仏師屋へやる。
それも裸足で行かせ、向こうにいい下駄があったら履いて帰ってこい、と言いつけるものすごさ。
その定吉が、先方で、先ほどの芋屋とのやり取りをそっくり真似をして、タバコをくすねたり、下駄を履いて帰ったり、位牌までおまけに貰って来ます。
「こんな小さな位牌、何にするんだ」
「同じオマケなら、なぜ大きいのを分捕ってこない、」
「へー、今度生まれたお坊ちゃんのになさいまし」

位牌屋とは別名仏師屋ともいいますが、東京では稲荷町の周辺に並んで居ます。
もちろん仏壇屋さんも同類です。
かなりすごいオチですが、ブラックユーモアの極地ですね。
落語会等でも中々掛からないので、このネタを仕込んでいる桂平治師はたまに演じるそうです。
動画は圓生師で