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え〜今日は古典落語の人気演目の一つ「お化け長屋」です。

 長屋にある一軒の空き家。そこを長屋の連中は物置に使っていると、大家から家賃を払うか荷物をどかせと言われます。
長屋の古株、通称古狸の杢兵衛さんが一計を案じる。
借り手が訪ねてきたら、家主は遠方に住んでいるので自分が長屋の差配をまかされているといって杢兵衛の家へ来させて、借り手をおどして空き家に借り手がつくのを防ごうという算段を立てます。
早速、借り手がやってきますが、ある事無い事を言って脅かして、あまつさえ財布迄忘れていまい、
返してしまうのですが、次にやって来た男は一向に恐がらず、話の間にちょっかいを入れる始末で、
困った杢兵衛さんは、濡れ雑巾で男の顔をひと撫でしようとすると、男に雑巾をぶん取られ、
逆に顔中を叩かれこすられてしまいます。
男はすぐに引越して来るから掃除をしておけといい帰ってしまう。
先ほど置いてった財布も持っていかれて仕舞います。
とここまでが上で、最近はほとんどここで演者は切っています。
この先の下はその男を追い出すのに色々手を尽くすと言う筋なのですが、
あまり演じられていません。

作者は江戸後期の滑稽本作者、滝亭鯉丈が文政6年(1823)に出版した「和合人」初編の一部をもとにして、
作った噺とされます。上方では、「借家怪談」として親しまれ、
初代桂小南が東京に移したともいわれますが、
すでに明治40年には、四代目橘家円蔵の速記もあり、
そのへんははっきりしません。

現在でも多くの噺家さんが高座に掛けています。
細かい演出に違いがありますが、筋はほとんど同じなので、演者の力量が問われる噺ですね。
昭和の名人達も圓生、金馬、柳橋、志ん生師等が演じています。

この噺に登場する長屋は、
落語によく出る九尺二間、六畳一間の長屋や棟割長屋ではなく、それより一ランク上で、もう一間、
三畳間と小庭が付いた上、造作(畳、流し、戸棚などの建具)も完備した、
けっこう高級な物件となっています。
これを只で使おうと言うのですから、生半可な方法じゃ無理ですね。(^^)
動画は、上は圓生師で、下は志ん生師で聴いて下さい。

下ですがこれは本当は上を金馬師が演じています。私はこの部分をUPしなかったので、圓生師で聴いて戴きましたが、
この下は志ん生師が演じていますが、志ん生師も余り、演じなかった様です。