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今日は「千両みかん」と言う噺です。昨日が「みかん屋」から転じた「南瓜屋」ですからまあ流れでw

 大店の若旦那が病に倒れます。聞いてみると「みかんを食べたい」と言う。
大旦那からみかんを探せと命じられた番頭が、江戸中を探しますが、夏にみかんを売っている店はありません。
 ようやく、神田の「万惣」で一個みつけたが、千両だという値。毎年毎年、店の名に掛けて蔵一杯のみかんを保管している中の一個だからそれだけの価値があると。
店に帰って報告すると、「千両で息子の命が買えるなら安い」と言いすぐ千両の金を番頭にもたせます。
大旦那様から千両を預かり、みかん一個を買って若旦那に持って帰ります。
 若旦那は喜んでみかんを食べて元気になり、十袋のうち三袋を残した。番頭を呼んで、おとっつあんとおっかさんに一袋渡して欲しい、苦労を掛けたから番頭さんも一袋食ってくれと、みかん三袋を番頭に渡した。
 番頭は預かったみかんを持って考えた。来年暖簾分けでご祝儀をもらっても、四十両か五十両だが、ここに三百両ある。
考えた挙句、番頭はみかんを持って何処かに・・・・・・

噺に出てきた「万惣」は今も神田須田町にあります。写真がそうです。(^^)
一階で高級果物、上の階のフルーツパーラーではオレンジシャーベットが1000両ならぬ900円で食べられます。(^^)

この噺も上方からの輸入ですが、商人が絡んでる噺なので、あちらの方が理論的にしっかりした処があります。
上方では、最初は商人のプライドに掛けて只でも良いと言うのです。
それがこじれて千両になるのですが、そのくだりが自然で納得出来るのですね。
こちらの千両の話も分かりますが、ちょっと苦しいかなぁ〜と。
商人の心意気が強調された上方版と黄表紙などに出てきそうな粋な面を強調した江戸版と言う感じでしょうか。

ここまで書いて、この噺昨年の8月31日にも書いています。動画をUPした時に書いたのです。
それを読むと全く進歩がないのが良く判ります。w
なんだかなぁ〜暑くて頭がおかしくなりそう・・・・もうなってるって! それは秘密だったのに(^x^)
動画は志ん生師匠です。これが圧倒的にいい!
まずは聴いて下さい。